NY為替見通し=ドル円、介入を警戒しつつも上値を試す動きが継続

 ドル円は欧州タイムに入っても堅調地合いを維持し、153.97円まで34年ぶりの高値を更新した。

 本日のNYタイムでは3月米小売売上高や4月ニューヨーク連銀製造業景気指数など複数の経済指標の発表が予定されている。日米金利差を意識したドル高・円安の流れが続いているなか、米経済指標の結果を受けた米長期金利の動きに注目。現在4.5%台で推移している米10年債利回りが昨年10月下旬以来の5%に向けて上昇基調を強めると、ドル円は154円台に乗せて日本当局の介入ラインを探りながら155円を視野に入れる動きが見込まれる。

 ドル高・円安のトレンドが続くとの見方が強く、「円買い介入が入った時、ドル円は絶好の買い場」と見込んでいる市場関係者も多く、足元で投機筋による円売りポジションは一段と積み上がっている。商品先物取引委員会(CFTC)が13日に発表した円ショートポジションは16万2151枚と2007年以来の高水準まで拡大している。

 中東情勢にも引き続き警戒が必要だ。今のところ、イランの攻撃に対しイスラエルの反撃はみられず、「イスラエルが比較的に慎重な対応を取る可能性がある」との見方もあり、欧米株価指数が底堅い動きになるなどリスクオフの動きは緩んでいるが、イランによる攻撃に対するイスラエル政府の対応次第では戦争が拡大する警戒感がある。

 なお、中東の地政学リスクへの警戒感が再燃すれば、リスクオフの円買いが強まる可能性はある。ただ、中東リスクの高まりで原油高が進み本邦の輸入インフレ圧力が強まると、賃金が物価高に追い付かず日銀の追加利上思惑は一段と薄れ、ドル高・円安地合いは変わりにくい。

・想定レンジ上限
 ドル円は心理的節目の155.00円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は本日これまでの安値152.98円が下値めど。

(金)
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