ロンドン為替見通し=レーンECB専務理事の発言に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会で全会一致での金利据え置きを主導したレーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストの講演を見極めつつ、欧米長期金利の動向に連れた値動きが想定される。

 レーンECB専務理事は、先日、タカ派的な見解として、「サービス価格のインフレは依然として重要。インフレを評価するには少し時間が必要」と述べ、ハト派的な見解として「賃金上昇圧力は、緩和傾向が続く見通し」と述べていた。

 そして、18日のECB理事会では、レーンECB専務理事による政策金利据え置き提案が全会一致で決定されており、一部のタカ派的な理事でさえも、今後の経済指標でディスインフレ継続が確認されれば利下げに前向きであることが報じられている。

 ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きには不透明感が高まっていることや欧州委員会が、フランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。

 トルコ中銀は政策金利50%を据え置くことが予想されており、注目ポイントは中銀声明となる。前回6月は引き締め姿勢の継続を再度確認しつつ、「今年後半にはディスインフレが定着するだろう」とも言及していた。

 6月のインフレ率は71%台と5月の75%台を下回り、伸び率鈍化の兆しがみられるものの、依然として高い水準での推移となっている。市場では秋以降の利下げ観測が高まりつつある中、トルコ中銀がどの程度インフレ抑制姿勢を示すか否かに要注目か。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:172.20円(日足一目均衡表・基準線)
・トルコリラ円:4.80円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0807ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:169.33円(6/21安値)
・トルコリラ円:4.68円(7/18安値)


(山下)
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