NY株見通し-神経質な展開か 経済指標は新規失業保険申請件数など

 今晩は神経質な展開か。昨日は上昇してスタートしたものの、米10年債利回りが上昇したことや、地政学リスクが意識されたこと、円キャリートレードの巻き戻しが再び強まることへ警戒感などから引けにかけて売りが優勢となった。ダウ平均は一時480ドル高まで上昇したが234.21ドル安(-0.60%)と一日の安値圏で終了し、S&P500も1.73%高まで上昇後、0.77%安で終了。ハイテク株主体のナスダック総合は2.10%高まで上昇後、1.05%安で修了。主要3指数がそろって反落した。週初からの3日間では、ダウ平均が2.45%安、S&P500が2.75%安、ナスダック総合が3.46%安となり、ダウ平均が2週続落ペース、S&P500とナスダック総合が4週続落ペースとなった。投資家の不安心理を示すVIX指数は月曜日に一時65.73ポイントまで上昇後、昨日は一時21.97ポイントまで低下したが、27.85ポイントで終了した。

 今晩は神経質な展開か。中東をはじめとする地政学リスクが引き続き意識されるほか、日銀の利上げをきっかけとした円キャリートレードの巻き戻しへの警戒感もあり、上値の重い展開が予想される。先週金曜日に発表された米7月雇用統計が予想以上に悪化したことで、景気後退(リセッション)懸念も強まっており、寄り前に発表される新規失業保険申請件数にも注目が集まりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、6月卸売在庫、米30年債入札など。このほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にイーライ・リリー、引け後にギリアド・サイエンシズ 、パラマウント・グローバルなどが発表予定。(執筆:8月8日、14:00)
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