NYマーケットダイジェスト・13日 米PPI下振れで株高・金利低下・ドル安

(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.84円(前営業日比▲0.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.42円(△0.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0993ドル(△0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:39765.64ドル(△408.63ドル)
ナスダック総合株価指数:17187.61(△407.00)
10年物米国債利回り:3.84%(▲0.06%)
WTI原油先物9月限:1バレル=78.35ドル(▲1.71ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2507.8ドル(△3.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
7月米卸売物価指数(PPI)
(前月比)    0.1%       0.2%
(前年比)    2.2%      2.7%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比)    0.0%      0.3%・改
(前年比)    2.4%       3.0%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。欧州序盤には8月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことを受けて一時1.0914ドルまで下落したものの、そのあとは前日の安値1.0910ドルがサポートとして働いたため買い戻しが優勢となった。
 NY市場に入り、米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%/前年比2.2%と予想の前月比0.2%/前年比2.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比横ばい/前年比2.4%と予想の前月比0.2%/前年比2.7%を下回ったことが分かると米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.1000ドルと5日以来の高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.55と5日以来の低水準を付けた。

・ドル円は反落。米インフレ指標の下振れを受けて米国のインフレが落ち着き、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始めやすくなるとの見方が一段と強まると、全般ドル売りが優勢となった。4時過ぎに一時146.60円と日通し安値を更新した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は「年内には利下げの準備が整う可能性が高い」「データをもう少し見てから利下げを支持したい」などと話した。

・ユーロ円は続伸。ドル円の下落につれた売りが先行すると一時160.70円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値160.65円が目先サポートとして働くと持ち直した。ユーロドルの上昇につれた買いも入った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。7月米PPIが予想を下回ると、FRBが利下げに着手する条件が整いつつあるとの見方が一段と強まり、株買いが広がった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。7月米PPIが予想を下回り、インフレの鈍化が示されると米利下げ観測が高まった。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月17-18日のFOMCで0.50%の利下げを予想する確率は53.5%前後に上昇。0.25%の利下げ確率を上回った。

・原油先物相場は6日ぶりに反落。5日連続で上昇したことにより利益確定売りが出やすかったほか、中国での需要が減少するとの観測も重しとなったようだ。

・金先物相場は5日続伸。前日に続き、中心限月の清算値ベースでの過去最高値を更新した。米インフレ指標の下振れをきっかけにFRBが利下げを始めやすくなるとの見方が一段と強まる中、米長期金利が低下して金利を生まない金の投資妙味が強まった。

(中村)
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