NYマーケットダイジェスト・16日 米PPI上振れで金利上昇・株安

(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.21円(前営業日比△0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.82円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0777ドル(△0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:38627.99ドル(▲145.13ドル)
ナスダック総合株価指数:15775.66(▲130.51)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.05%)
WTI原油先物3月限:1バレル=79.19ドル(△1.16ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2024.1ドル(△9.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
1月米卸売物価指数(PPI)
前月比                0.3%      ▲0.1%
前年比                0.9%       1.0%
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比                0.5%     ▲0.1%・改
前年比                2.0%      1.7%・改
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
                    79.6      79.0

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら3日続伸。米労働省が発表した1月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.3%/前年比0.9%と予想の前月比0.1%/前年比0.6%を上回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.5%/前年比2.0%と予想の前月比0.1%/前年比1.6%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0732ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値1.0725ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。市場では「米国の3連休を控えたポジション調整目的のドル売りが出た」との声も聞かれ、4時過ぎには一時1.0787ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは米PPIの上振れを受けて一時104.67まで上昇したものの、4時30分前には104.17まで低下した。

・ドル円は3日ぶりに反発。予想を上回る米PPIを受けて一時150.65円と日通し高値を付けたものの、13日の1月米消費者物価指数(CPI)後に付けた年初来高値150.89円がレジスタンスとして意識されると失速した。週末を控えたポジション調整目的のドル売りが出ると150.09円付近まで下押しした。
 もっとも、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しも限定的だった。

・ユーロ円は上昇。日銀の低金利政策が続くとの見方が強まる中、フランスやドイツの株価指数が史上最高値を更新するとリスク・オンの円売りが出た。4時過ぎには一時161.95円と日通し高値を更新した。また、ポンド円は一時189.52円、豪ドル円は98.26円、NZドル円は92.12円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。13日の1月米CPIに続き、この日発表の1月米PPIも予想を上回ったため、FRBによる早期利下げ観測が後退し、株売りが優勢となった。米長期金利の上昇で株式の相対的な割高感も意識された。市場では「3連休を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。1月米PPIの上振れを受けて、FRBによる早期利下げ観測が後退すると売りが優勢となった。

・原油先物相場は続伸。1月米PPIが市場予想を上回る伸び率となると、ドル高を嫌気し原油先物の上値が抑えられる局面もあったが、中東情勢(イスラエル軍のガザ南部の病院突入、レバノン国境でのヒスボラとの交戦拡大など)を嫌気した原油先物買いが優勢となった。また、ロシアの反政権運動指導者ナワリヌイ氏が刑務所内で死亡したことにより、国際社会とロシアとの関係悪化も懸念材料となり原油の支えとなった。

・金先物相場は続伸。堅調な動きを見せていた金先物だったが、1月米PPIが市場予想より上振れると、米金利の上昇とドル高の影響で急落した。しかしながら、米金利の上げ幅が徐々に縮小すると、米国の3連休を前に安全資産とされる金先物への買い戻しの勢いが早くなり、続伸して引けた。PPI後に上昇したドルも、欧州通貨やオセアニア通貨を中心に弱含んだことで、ドルで取引される金先物が割安感となったことも下支えした。

(中村)
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