株式明日の戦略-あすもFOMCを前に手掛けづらい地合いか

 17日の日経平均は大幅続落。前日にNYダウが最高値を更新したこともあり、寄り付きは上昇スタート。一方で買いは続かず、すぐにマイナスに転じた。前場は一辺倒に売られ、下げ幅を700円超に拡大。後場もしばらくは底ばいだったが、引けにかけて戻したことで36000円台を維持した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆2000億円。騰落銘柄数は値上がり960/値下がり631となった。業種別では海運、水産・農林、陸運などが上昇した一方、保険、銀行、輸送用機器などが下落した。
 売買代金上位では、外資系証券が目標株価を引き下げた東京エレクトロンを筆頭にアドバンテストやルネサスエレクなど半導体株が軒並み安となった。米アップル株の下落を受けて村田製作所やTDKなどの電子部品株が大幅安となったほか、米国の大幅利下げ観測再燃でメガバンクや保険株なども大きく下げるものが目立った。一方、9月末権利取りの動きなどで海運株が堅調に推移。富士通やメルカリが逆行高となった。
 プライム市場の値上がり率上位では、第3四半期好決算や自社株買いが評価されたマネジメントソリューションズがストップ高となり、エターナルホスピタリティグループは15%を超える上昇率となった。円高メリットでは松屋フーズHDの上昇が目立った。
 一方、値下がり率上位では、今期の連結純利益で20%減見込むアクシージアがストップ安。昼休み中に1Q営業減益を発表したコーセルが後場一段安となった。3Q累計営業黒字転換もコンセンサスを下回ったエイチ・アイ・エスが売られたほか、直近で決算を発表した三井ハイテックやANYCOLORなどが軟調。国内証券が目標株価を引き下げた北海道電力が下値模索となった。

 あすの国内市場は材料難の中、手掛けづらい地合いが続きそうだ。円高への警戒感から主力株の押し目は買いづらい。為替市場は日本時間19日午前3時に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と経済見通しの公表、パウエル議長の記者会見を前に小動きにとどまる可能性が高く、株式市場も朝方に今晩の米国株の動向を織り込んだあとは動意に欠ける展開か。
 9月末の権利取りの動きから引き続き海運株などに買いが向かいやすいほか、日米金融イベントを前に陸運などの内需系や医薬品などのディフェンシブ系などへの資金逃避が予想される。
 きょうの日経平均株価は一時700円を超える場面があったが、空売り比率は先週末の47.0%から43.1%(17日)に低下しており、続落ながらも逆張り指標として反発を見込むには不足感が否めない。
 2023年までの直近3年間の9月相場を振り返ると、いずれの年も9月中旬に形成した戻り高値から後半は下落した経緯がある。この時期特有のアノマリーであれば留意が必要であるほか、早く上昇できないとようやく上向きに転じた25日移動平均線が再び下向きへ変化するリスクが高まる点にも留意が必要となる。
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