株式明日の戦略-株は一段安か上昇再開か、この2日間がターニングポイントに

 18日の日経平均は3日ぶりに反発。終値は176円高の36380円。ドル円が円安に振れたことなどを受け、スタートは300円を超える上昇だった。早いうちに上げ幅を400円超に広げたものの、買いが続かず失速。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に上値が重い展開だった。後場に入ると一段と上げ幅を縮小。リスク回避の動きが強まりマイナス圏に沈む場面もあった。終盤に買い戻されプラスで終えたものの、寄り付きを下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4700億円。騰落銘柄数は値上がり1190/値下がり413となった。業種別では輸送用機器、石油・石炭製品、鉱業などが上昇した一方、陸運、空運、医薬品などが下落した。売買代金上位では、円高一服を材料にトヨタ自動車やホンダなどの自動車株の一角が買われた。ディスコやアドバンテストが底堅く推移したほか、個人投資家好みのメルカリやSHIFTなど材料系グロース銘柄が物色された。一方、三菱重工業やIHIなど重工系の一角が軟調。さくらインターネットやニトリHDなどが下げた。
 プライム市場の値上がり率上位では、ベインキャピタル系のTOBを受けてトランコムがストップ高比例配分となり、外資系証券が目標株価を引き上げた三井海洋開発が急伸。マネジメントソリューションズが前日のストップ高から引き続き人気化したほか、上期が大幅増益だったTOKYO BASEが大幅反発となった。一方、値下がり率上位では、西武HDが上場来高値の更新後に手じまい売りから大幅安。パン・パシフィック・インターナショナルや三越伊勢丹、鉄道株などインバウンド関連に売りが目立った。

 あすの東京市場は午前3時に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や経済見通し、そしてパウエル議長の記者会見に注目が集まる。
 FOMCでは利下げが確実視され、利下げ幅は0.25%が濃厚。利下げ幅が0.50%になった場合や、パウエルFRB議長の会見内容などが変動要因となる。0.50%の利下げになった場合、為替市場でドル売り・円買いが強まることが予想され、日本株にとっては逆風(下落)となりかねない。その場合、20日公表の日銀政策の決定が現状維持でも、植田総裁の会見内容を通じた一段の円高・ドル安に対する警戒が強まり、短期筋による仕掛け的な売りや、ポジション調整の売りなどで下押す場面が増えることになろう。
 ただ、0.50%の利下げを織り込んでないわけではない。むしろ、直近では0.50%の利下げを予想する向きが多い印象だ。米長期金利低下を通じて、米国市場で出遅れ感のある半導体関連中心にハイテク株が相対的に上昇して戻ってくることも予想され、国内でも半導体や電子部品関連を中心としたハイテク株への買いが指数の下値を支える見方もできそうだ。
 日経平均は9月2日の戻り高値から下落のあと、もみ合い基調にある。これが中段保ち合いなら下振れるシナリオとなり、直近3年間と同じように10月初旬ごろまでは二番底探りの動きになりやすい。一方、もみ合いが中段保ち合いではなく底固めであれば、9月の戻り高値更新に向けて再動意につながる展開が予想される。そういった意味でも、週末までの2日間はターニングポイントであり、日米イベントに対する金融市場の反応から目が離せない。
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