NY為替見通し=米債市場は休場もトランプ・トレードを依然として意識

 週明けのニューヨーク為替市場でもドル円は、トランプ次期大統領の誕生を受けた「トランプ・トレード」を意識した値動きか。ただ本日の米国はベテランズデーであり、ドル相場に影響を与える債券市場が休場。そうなると、株式市場を眺めながらリスクセンチメントの強弱を測りながらの取引となりそうだ。

 先週の米大統領選で共和党候補のトランプ氏は結局、激戦州と言われた7州全てに勝利した。トランプ氏が獲得した選挙人は310人を超え、過半数270人を大きく上回る圧勝となった。上院も共和党が過半数を取り、下院も共和党が民主党を上回る見込み。これでトランプ氏が公約に掲げていた減税や規制緩和が進めやすいとされている。

 トランプ次期政権に対する期待感の高まりから、先週の米株式市場は大幅に上昇して終えた。ただ、さすがに先取りし過ぎという感も否めない。今週は13日に市場が注目する10月米消費者物価指数(CPI)の発表も控えており、一旦は持ち高を調整する動きも見られそうだ。

 また今後の地政学リスクを見定めるうえで、トランプ次期大統領が北大西洋条約機構(NATO)とどのように付き合うかも注目される。トランプ第1次政権では他加盟国の負担増を強く求め、状況次第では関与低下を示唆した。またロシアとの戦争が続くウクライナについても、同国が求めるNATO加盟を棚上げにする案がトランプ氏の側近から出ているもよう。

 なお、本日カナダはリメンバランス・デーで祝日。カナダ勢がほぼ不在のなか、カナダドルの流動性が薄くなることは想定される。カナダドルが絡んだ通貨ペアは、スプレッドが通常よりワイドとなるなど取引しづらくなるかもしれない。またちょっとしたフローでも値が飛ぶ可能性もあり、カナダドルの持ち高管理には気を付けたい。

想定レンジ上限
・ドル円、7日高値154.71円
・カナダドル円、7日高値111.19円

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値152.64円
・カナダドル円、8日安値109.50円


(小針)
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