NY為替見通し=ドル円、トランプトレード継続で堅調維持か

 ドル円は昨日に7月下旬以来の155円台を回復し、本日の東京市場では156円台まで上昇が加速した。米下院で共和党の過半数獲得が確定し、トランプトレードが一段と強まっている。

 共和党はホワイトハウスと議会の全てを掌握する「トリプルレッド」が実現し、トランプ政権の運営がやりやすくなった。市場では、トランプ氏の財政拡張などインフレ的な政策を予想したドル買いが継続している。トランプトレードによるドル買いがいつまで続くかは定かでないが、上昇がいったん一巡してもドルの押し目では下支えの材料となるだろう。米大統領に返り咲くトランプ氏は前回よりも強気で政策を進めるとの見方がある。ヘッジファンドもトランプトレードに賭けており、年内はドル買いが続くとの観測も出ている。

 ドル円の上昇が加速し、日銀の12月利上げ観測が高まっているほか、日本当局による介入警戒感も出始めた。実弾介入については160円をめどとし、円安のスピード次第ではもっと前の水準で円買い介入に踏み切るとの見方も出ているが、最近の動きは円安というよりドル独歩高となっており、介入実施のタイミングは掴みにくい。

 本日は10月米卸売物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数の発表や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などが予定されている。ドルは結果に一時的な反応を示すも底堅い動きが続きそうだ。昨日の10月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果になった。CPIの結果を受けて一時ドル売りに反応したが、その後ドル高軌道に戻した。短期金融市場で12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は80%近くまで上昇しているものの、トランプ氏の返り咲きで来年の利下げペースが鈍ると警戒されている。

・想定レンジ上限
 ドル円、7月23日の高値157.10円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、心理的節目の155.00円が下値めど。

(金)
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