株式明日の戦略-大幅高で38500円台に到達、投資家心理は強気に傾くか

 12月に入り2日の日経平均は大幅反発。終値は304円高の38513円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1066/値下がり512。日経新聞の植田総裁へのインタビュー記事を手がかりに日銀の12月利上げが意識されたことから、三井住友、第一生命、東京海上など金融株が大幅上昇。富山第一銀、九州FG、京都FGなど地銀株にも資金が向かった。売買代金上位では、フジクラや日立など今年強く買われた銘柄の動きが良かった。自己株取得を発表したサンケン電気が急騰。業務提携に関するリリースが好感されたピーバンドットコムがストップ高まで買い進まれた。

 一方、柳井社長兼会長の発言に対して中国で反発の動きが広がっていると一部メディアで報じられたファーストリテイリングが軟調。レーザーテック、村田製作所、ニデックなど、ハイテク系の一角が逆行安となった。中期の経営戦略が失望を誘った資生堂が、証券会社の目標株価引き下げもあって6%を超える下落。コーセー、アイスタイル、ヤーマンなど化粧品・美容関連銘柄が全般弱かった。金融庁が立ち入り検査に入ったと複数メディアで報じられたFPパートナーがストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は大幅高。後場の強い上昇に関しては、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて運用する資産の利回り目標を引き上げる方針と伝わったことが、買いを呼び込んだとの見方があった。11月27日から4営業日連続で38000円割れでは買いが入っており、きっかけ一つで上を試しやすい地合いにもなっていた。反動売りに押されることなく25日線(38691円、2日時点、以下同じ)を超えてくれば、きょう上回った5日線(38329円)や75日線(38237円)がサポートになって好循環が発生する展開も期待できる。週末の米雇用統計を前に手がけづらさが意識されるかと思いきや、週初から大型株が強い動きを見せてきた。単発で終わらず活況な売買が続くようであれば、日本株に対する評価が良い方に変わってくるだろう。

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