週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、BOC会合に注目
◆円相場、日銀利上げ関連のヘッドラインや国際情勢に注目
◆ポンド、英成長率・インフレ率の上昇見込みで底堅い動き
◆加ドル、BOC会合での利下げ幅や声明に注目
予想レンジ
ポンド円 189.00-195.00円
加ドル円 105.50-109.50円
12月9日週の展望
対円では、18-19日に日銀金融政策決定会合を控え、追加利上げ関連のヘッドラインに神経質になる動きが続く。市場では追加利上げか据え置きかで見方が分かれており、依然として不透明感が強い。年末に向けて商いも薄くなっているなかで材料以上に値動きが大きくなる可能性がある。また、ウクライナ・ロシアと中東の地政学リスクが続くなか、フランスや韓国の政情不安の強まりで世界情勢を背景としたリスクオフの動きが高まる可能性には引き続き警戒したい。
ポンドは、19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の今年最後の政策金利発表を控え、来週予定されている10月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などの指標結果を見極めることになる。今週発表の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.0と速報値から下方修正された一方で、サービス部門PMI改定値は50.8と速報値から上方修正したが、いずれも10月から鈍化した。
英政府予算案によるコスト押上げが懸念された。ただ、政府の支出拡大も要因に英経済は今後主要7カ国(G7)で最も高い成長率が見込まれているだけではなく、インフレの再加速も警戒されており、ポンドの底堅い動きが見込まれる。市場は12月会合での金利据え置きと来年3-4回の利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁は今週のインタビューで、「市場はすでに来年4回の利下げを織り込んでおり、それを中銀が最新の経済予測に反映させた」と説明している。
加ドルは11日のカナダ中銀(BOC)の金融政策会合に注目。11月下旬にトランプ次期米大統領が3大貿易相手国であるカナダ、メキシコ、中国に大幅な関税引き上げを課すとし、ドル/加ドルは1.41加ドル後半と約4年半ぶりの加ドル安が進んだ。足もとで加ドル売りは一服するも戻りを1.39加ドル後半にとどめている。BOCが主要国で利下げサイクルを一番鮮明にしていることもあり、加ドルの重い動きが続くと見込まれる。
来週のBOC会合では0.25%と0.50%の利下げで見方が分かれており、結果発表後には一時的にせよ値動きが振幅しそうだ。カナダの10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と前月から伸びが予想以上に加速し、12月の0.50%利下げへの思惑が後退した。ただ、一方で、7-9月期GDPが1.0%とBOC予想の1.5%を下回り、0.50%の大幅利下げ観測が再燃している。カナダのインフレ率がBOC目標の2%水準に近づいてきているなか、金融政策の焦点は経済成長に向けられているが、利下げ効果はまだ見られておらず、景気回復の鈍さへの懸念が続いている。
12月2日週の回顧
日銀の12月会合での追加利上げ期待や韓国の尹大統領が3日夜に「戒厳令」を発表したことを受けたリスクオフで円買いが先行したが、一部メディアが日銀の追加利上げの可能性に疑問を投げかけたことで円買いが一服した。ポンド円は一時188円前半、加ドル円は一時105円後半まで下落した。
週末に米雇用統計の発表を控え対ドルでは方向感が出ず、ポンドドルは1.27ドルを挟んで上下。ドル/加ドルは1.40加ドル台を中心とした狭いレンジ内の動きにとどまった。(了)
(執筆:12月6日、9:00)
◆ポンド、英成長率・インフレ率の上昇見込みで底堅い動き
◆加ドル、BOC会合での利下げ幅や声明に注目
予想レンジ
ポンド円 189.00-195.00円
加ドル円 105.50-109.50円
12月9日週の展望
対円では、18-19日に日銀金融政策決定会合を控え、追加利上げ関連のヘッドラインに神経質になる動きが続く。市場では追加利上げか据え置きかで見方が分かれており、依然として不透明感が強い。年末に向けて商いも薄くなっているなかで材料以上に値動きが大きくなる可能性がある。また、ウクライナ・ロシアと中東の地政学リスクが続くなか、フランスや韓国の政情不安の強まりで世界情勢を背景としたリスクオフの動きが高まる可能性には引き続き警戒したい。
ポンドは、19日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の今年最後の政策金利発表を控え、来週予定されている10月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などの指標結果を見極めることになる。今週発表の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.0と速報値から下方修正された一方で、サービス部門PMI改定値は50.8と速報値から上方修正したが、いずれも10月から鈍化した。
英政府予算案によるコスト押上げが懸念された。ただ、政府の支出拡大も要因に英経済は今後主要7カ国(G7)で最も高い成長率が見込まれているだけではなく、インフレの再加速も警戒されており、ポンドの底堅い動きが見込まれる。市場は12月会合での金利据え置きと来年3-4回の利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁は今週のインタビューで、「市場はすでに来年4回の利下げを織り込んでおり、それを中銀が最新の経済予測に反映させた」と説明している。
加ドルは11日のカナダ中銀(BOC)の金融政策会合に注目。11月下旬にトランプ次期米大統領が3大貿易相手国であるカナダ、メキシコ、中国に大幅な関税引き上げを課すとし、ドル/加ドルは1.41加ドル後半と約4年半ぶりの加ドル安が進んだ。足もとで加ドル売りは一服するも戻りを1.39加ドル後半にとどめている。BOCが主要国で利下げサイクルを一番鮮明にしていることもあり、加ドルの重い動きが続くと見込まれる。
来週のBOC会合では0.25%と0.50%の利下げで見方が分かれており、結果発表後には一時的にせよ値動きが振幅しそうだ。カナダの10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と前月から伸びが予想以上に加速し、12月の0.50%利下げへの思惑が後退した。ただ、一方で、7-9月期GDPが1.0%とBOC予想の1.5%を下回り、0.50%の大幅利下げ観測が再燃している。カナダのインフレ率がBOC目標の2%水準に近づいてきているなか、金融政策の焦点は経済成長に向けられているが、利下げ効果はまだ見られておらず、景気回復の鈍さへの懸念が続いている。
12月2日週の回顧
日銀の12月会合での追加利上げ期待や韓国の尹大統領が3日夜に「戒厳令」を発表したことを受けたリスクオフで円買いが先行したが、一部メディアが日銀の追加利上げの可能性に疑問を投げかけたことで円買いが一服した。ポンド円は一時188円前半、加ドル円は一時105円後半まで下落した。
週末に米雇用統計の発表を控え対ドルでは方向感が出ず、ポンドドルは1.27ドルを挟んで上下。ドル/加ドルは1.40加ドル台を中心とした狭いレンジ内の動きにとどまった。(了)
(執筆:12月6日、9:00)