ロンドン為替見通し=ユーロドルは12日のECB理事会前で動きづらい展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開が予想される。

 本日と12日、13日、16日には、1.0550ドルにNYカットオプションが控えており、12日のECB理事会を控えて、値動きを抑制する可能性も念頭に置いておきたい。

 昨日、調査会社センティックスが発表した12月のユーロ圏投資家センチメント指数は、▲17.5と11月の▲12.8から低下し、2023年11月以来の低水準を記録した。
 ユーロ圏経済活動に対する脅威として、ウクライナや中東での戦争、トランプ関税による米国との貿易戦争、ユーロ圏の2大経済大国であるドイツとフランスの政権崩壊が挙げられる。

 12日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、トランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念やドイツとフランスの政局混迷を受けて、0.50%の大幅利下げの可能性も警戒されている。
 ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べている。

 フランスの政局混迷に関しては、極右政党・国民連合(RN)の事実上の代表を務めるルペン氏が、マクロン仏大統領の辞任を求める意向はない、と述べ、予算案への条件付きの支持を表明していることで、後任首相と新予算案の成立を待つ段階となっている。

 また、引き続きウクライナ情勢や中東情勢の地政学リスクの深刻化には警戒しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:160.92円(日足一目均衡表・雲の下限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:158.26円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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