ロンドン為替見通し=ユーロドル、ECB理事会後のラガルドECB総裁の会見に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利据え置きが確実視されていることで、ラガルドECB総裁の定例記者会見に注目することになる。

 今夜のECB理事会では、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が前年比+2.5%、コア指数が同比+2.9%だったことで、政策金利の据え置きが見込まれている。
 ラガルドECB総裁は、先日、インフレ率が目標の2%に戻る方向にあることを示す新たな裏付けが追加利下げの要件だと述べており、本日も同様の慎重なスタンスを示すことが予想されている。
 ラガルドECB総裁は、ユーロ圏でディスインフレが続いているが、当局者は警戒態勢を緩めてはならないと指摘し、賃金上昇によって押し上げられているサービス価格の伸びが焦点だと警戒感を示していた。

 ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きには不透明感が高まっていることや欧州委員会が、フランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。

 ポンドドルは、6月の英雇用統計に要注目となる。昨日発表された6月英消費者物価指数(CPI)が前年比+2.0%だったことで、8月1日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げ観測が後退し、ポンドドルは1.30ドル台へ上昇している。
 6月英失業率の予想は4.3%で5月と変わらずだが、失業保険申請件数が5月の+5.04万件から減少していた場合は、もう一段の買い戻しが予想される。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:172.83円(7/17高値)
・ポンドドル:1.3126ドル(2023/7/18高値)
・ポンド円:205.57円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0875ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:169.16円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2911ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:201.17円(6/24安値)



(山下)
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