ロンドン為替見通し=ユーロドル、上値限定か ECBからハト派の発言が目立つ

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは1.06ドル台で方向感を探りながらも、夏前の欧米金融政策に差が出てきそうなこともあり、上値は限定的と予想する。ポンドドルも英金利先安観がくすぶるなかで、再び下値余地を探る展開もあり得そうだ。

 先週は欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから6月利下げを意識させるような発言が目立った。また、タカ派として知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁も、理事会では大多数が6月利下げを望む可能性があることを認めている。また、年内で複数回の利下げを見込むECBメンバーも何人かいた。

 6月ECB会合の前には、まだ2カ月分のインフレ指標を控えているため、金利引き下げに対して「前のめり」になるのは危険かもしれない。しかしながらラガルド総裁が、慎重な見通しは維持しながらも、「ユーロ圏のディスインフレプロセスは続いている」と述べていることは次の一手が近いことを示唆しているのではないか。

 ポンドは先週末に軟調なままで終えた流れを引き継ぐか。19日ロンドンフィキシングに向けて売りが優勢となったポンドは、フィキシング後も地合いは弱いままだった。対ドルでは昨年11月半ば以来となる1.2360ドル台、ユーロポンドは0.8607ポンドの200日移動平均線を超えた。

 短期金融市場は今のところ、英中銀(BOE)の5月据え置きをほぼ確実視し、6月利下げについてはまだ微妙なところと見ている。もっとも、年末にかけては0.25%の金利引き下げ2回を織り込んでいる。一方、米国は利下げ開始時期が明らかに後退し、そもそも利下げはあるのか?という声も一部からではあるが出始めた。そうなるとポンドドルを買い上げるというのも、難しくなってきたのではないか。

 想定レンジ上限
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス2の1.0714ドル
・ポンドドル、18日高値1.2485ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、16日安値1.0601ドル
・ポンドドル、ピボット・サポート2の1.2301ドル


(小針)
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