ロンドン為替見通し=ユーロドル、ECBの金融政策やインフレ見通しに注目

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州午後に発表される欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果やラガルドECB総裁の会見内容が注目となる。政策金利について、大方の予想は「4会合連続となる据え置き」。ポイントは、ECBインフレ目標2%が視野に入りつつあるなか、いつまで制限的な金利水準を維持するのか、利下げの可能性に言及するかだろう。

 また今回は、最新の物価と景気見通しが明らかにされる。昨年12月時点の予測では、24年インフレ率は2.7%、実質成長率が0.8%と見積もられていた。また25年が同2.1%/1.5%成長率という予想だった。一部メディアでは、物価見通しに関して小幅ながらも前回から下振れる可能性が指摘されている。

 先週はホルツマン・オーストリア中銀総裁が「依然としてインフレリスクを認識」と述べていたものの、理事会メンバーの中で最もタカ派的な1人でもあり、いつも通りと市場は受けとめたようだ。足もとの物価動向を鑑みるかぎり、デギンドスECB副総裁が「新たなデータで最近の評価が確認されれば、理事会は金融政策を修正するだろう」との考えが主流になってきたのではないか。

 短期金融市場では、ECB理事会は4月会合までは指標を見極め(金利据え置き)、6月会合で利下げの可能性を織り込みつつある。遅くとも7月には0.25%の金利引き下げが実施されるとの見込みだ。

 しかしながらユーロ圏の金利先安観が強まったとしても、ユーロドルが素直に下値を試し行くとは限らない。米10年債利回りが昨日も低下幅を広げ、日足チャートでは200日移動平均線をしっかりと下回ってきた。ドルインデックスも200日線の下で推移し始めている。ドル安の流れがどの程度まで強まるのかも見定める必要があるだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、1月11日高値1.0996ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0812ドル


(小針)
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