ロンドン為替見通し=ポンド、英CPI次第で上値余地を試す展開も

 本日のロンドン為替市場では、まずは序盤に発表される11月英消費者物価指数(CPI)に注目。本日は、英中銀金融政策委員会(MPC)が政策金利の投票を行う(公表は明日)。大方の市場予想は金利据え置きであり、11月インフレの結果だけでは投票行動も変わらないだろう。ただし上昇率次第で、昨日強まった利下げペース鈍化への思惑が後押しされるかもしれない。

 昨日発表された8-10月の英平均賃金(除くボーナス)は前年比5.2%上昇と、前回からの加速予想5.0%を更に上回った。これを受けて、来年にかけた英金利先安観が大きく後退。短期金融市場が織り込む英中銀の利下げは、2025年後半まで0.25%を2回のみとなっている。

 本日の11月英CPIは前年比が2.6%と2会合連続で加速が見込まれている。予想通りであれば、8カ月ぶりの高いインフレ率だ。CPIコアも前年比3%台で上振れするとの市場の見立て。また英中銀が注視しているサービス部門のCPIも前年比で5%超えの可能性が高まっており、本日の指標でタカ派なMPCメンバーを勢いづけることになるかもしれない。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表をニューヨーク午後に控えているものの、英インフレの上向きを確認した後、ポンドがどの程度まで上値を試すのかを注目したい。

 ユーロ圏からも11月消費者物価指数(HICP)が発表されるが、こちらは改定値だ。予想は速報値とかわらず、前年比総合が2.3%/コアが2.7%。それよりも、欧州中央銀行(ECB)チーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事の講演のほうが重要だろう。理事会への影響力も大きいレーン氏が、来年以降のインフレや景気、そして金利についてどのような見解を示すかに注目したい。


想定レンジ上限
・ポンドドル、200日移動平均線1.2819ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0542ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2609ドル
・ユーロドル、11月26日安値1.0425ドル


(小針)
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