ロンドン為替見通し=ポンドの反発続くか、まず英雇用データを確認 ユーロは独指標に注目

 本日のロンドン為替市場では、英雇用データを受けて昨日のポンド買い戻しが続くのかをまず見定め。ユーロは独景気指数を確かめながらの取引となるだろう。

 昨日はポンドが対ドルやユーロで強含み推移。先週後半はさえない英経済指標を背景にポンド売りが強まっており、その反動で週明けは買いが先行。ロンドンフィキシングに絡んだポンド買いも見られたようだ。また、日本などが参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に、英国が正式に加盟したこともポンドにとってポジティブ材料とされたか。

 本日の英雇用指標では、前回が市場予想より悪かったILO方式の失業率に注目。今回8-10月分は4.3%と横ばい見込みだ。今春悪化した水準4.4%手前で踏みとどまれるかがポイントだろう。また、同時期の平均賃金(除くボーナス)にも目を向けておきたい。一部では、前回の約2年ぶり低水準4.8%から上振れが予想されている。

 もし結果が市場にとって大きなサプライズとなれば、明日18日に行われる英中銀金融政策委員会(MPC)の投票行動(結果公表は19日)に何ら影響を与えるかもしれない。なお明日には11月英インフレ指標が発表予定。

 本日はドイツから12月のIfo企業景況感指数やZEW景況感指数が発表される。昨日の12月独PMI速報値は、サービス部門が51まで改善したことは好感されたものの、予想より弱い製造業は42.5まで悪化した。本日の指標も前回値には届かないと見られており、独景気回復には時間がかかるとの見方を確認することになりそうだ。

 他にも、ユーロにとって重しとなる材料(ユーロ圏金利の先安観や独仏の政局不透明感、仏格下げなど)は目立つ。しかしながらユーロドルは昨日も1.04ドル後半で下げ渋っている。本日の独指標が弱い場合でも下サイドへの反応が鈍ければ、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表の前に持ち高調整が進むこともあり得るか。

想定レンジ上限
・ポンドドル、12日高値1.2788ドル
・ユーロドル、9日高値1.0594ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2609ドル
・ユーロドル、13日安値1.0453ドル


(小針)
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