当面の金融政策運営について 日銀
当面の金融政策運営について
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促す。
2. わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足もとは2%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。
先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。消費者物価(除<生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、来年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、政府による施策の反動が押し上げ方向で、既往の原油等の資源価格下落の影響などが押し下げ方向で、それぞれ作用すると見込まれる。
リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。
3.本会合では、2023年4月以降実施してきた「金融政策の多角的レビュー」を取りまとめた。「多角的レビュー」では、過去25年間のわが国の経済・物価・金融情勢について振り返ったうえで、非伝統的な金融政策運営の効果と副作用を点検し、先行きの金融政策運営への含意を整理した。日本銀行は、本レビューの結果も活用しつつ、引き続き、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。
日銀HPより
(小針)
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促す。
2. わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。わが国の金融環境は、緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足もとは2%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。
先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。消費者物価(除<生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、来年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、政府による施策の反動が押し上げ方向で、既往の原油等の資源価格下落の影響などが押し下げ方向で、それぞれ作用すると見込まれる。
リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。
3.本会合では、2023年4月以降実施してきた「金融政策の多角的レビュー」を取りまとめた。「多角的レビュー」では、過去25年間のわが国の経済・物価・金融情勢について振り返ったうえで、非伝統的な金融政策運営の効果と副作用を点検し、先行きの金融政策運営への含意を整理した。日本銀行は、本レビューの結果も活用しつつ、引き続き、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。
日銀HPより
(小針)