週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、日米金融・政治イベントに注意

◆豪ドル、日米の金融・政治イベント次第で荒い値動きとなる可能性
◆NZドル、10-12月期CPIに注目
◆ZAR、12月CPIでインフレ鈍化傾向を確認

予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 7.90-8.40円

1月20日週の展望
 豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となるだろう。来週は豪州から特段のイベントや経済指標の発表が予定されておらず、基本的には米ドルや円相場など外部要因に振らされる見込み。

 20日には米国でトランプ大統領が就任する。トランプ氏は以前から就任初日に「中国やメキシコ、カナダなどに対して関税を課す」と宣言しており、宣言通りに関税が発表されると米国のインフレリスク再燃が意識され、再び米ドル買いが強まる可能性もあるだろう。豪州はトランプ氏から関税対象として名指しされたわけではないが、豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることになりそうだ。また、中国などの経済に対する先行き不安が高まることでリスクに敏感な豪ドルが売りに押されるシナリオにも警戒しておきたいところ。株価・金利動向などをにらみながら、市場全般のリスク選好度合いに気を配っておきたい。
 
 その他では23-24日に控えている日銀の金融政策決定会合にも注目。今週は植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断」との見解を示したことを受けて、日銀の早期利上げ観測を意識した円買いが強まる場面も見られた。実際に利上げに踏み切るかは不透明だが、会合直前まで豪ドル円なども含めた円相場は思惑的な動きに振らされそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では22日公表の10-12月期消費者物価指数(CPI)に注目。前回(7-9月期)は前年比2.2%となり、約3年半ぶりにNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。すでにRBNZは次回(2月19日)の金融政策決定会合でも追加利下げを実施する方針を示唆しているが、今回のCPIでインフレ鈍化がさらに進んだ場合はNZの金利先安観も一段と高まるだろう。対米金利差拡大への思惑が広がることになればNZドルにとっても重しとなりそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む動きを予想している。基本的には米ドルなど外部要因次第の展開となりそうだが、来週は22日に12月CPIや11月小売売上高の発表が予定されている。南アCPIは2カ月連続で南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)のインフレ目標(3-6%)下限を下回っており、今回もインフレの鈍化傾向が継続するか確認しておきたい。なお、SARBの次回(1月30日)金融政策決定委員会(MPC)では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想が優勢となっている。

1月13日週の回顧
 豪ドルは対ドルでは前週までの反動から買いが進んだ。豪ドル円もつれて98円手前まで下値を切り上げる場面が見られたが、日銀の追加利上げ観測が高まった週央以降は売りに押される展開となり、96円台前半まで反落した。

 ZARも対ドルでは強含んだものの、対円では週末にかけて伸び悩む動きとなり、ZAR円は8.20-30円台を中心とする値幅内で上下した。(了)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。