週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、SARB総裁の見解に注目

◆豪ドル、CPIに注目
◆ZAR、利下げ予想もSARB総裁の見解に注目
◆ZAR、利下げサイクルが減速するとの指摘も

予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 8.20-8.70円

1月27日週の展望
 豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。来週の注目は29日に予定されている10-12月期消費者物価指数(CPI)および12月CPI。2月17-18日に年内最初の金融政策決定理事会を控える豪準備銀行(RBA)にとってインフレ動向を確認する最後の機会となり、市場の注目もその分集まっている。

 2月のRBA理事会については豪州主要金融機関内でも一部で0.25%の利下げを予想する向きも現れており、明確な予想のコンセンサスは出来上がっていない状況。CPIの結果次第ではRBAの金融政策に対する思惑が、利下げもしくは据え置きへと一気に傾く可能性もあり、豪ドル相場に大きな影響を与えることになりそうだ。

 なお、その他では28日に12月NAB企業景況感指数、30日に10-12月期輸入物価指数、31日には10-12月期卸売物価指数(PPI)などの発表も控えている。物価統計の発表が相次ぐが、いずれもCPIと比較すると豪ドル相場への影響は限られそうだ。

 隣国のニュージーランド(NZ)では今週発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)が前年比2.2%の上昇となり、2四半期連続でNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。金利先物市場ではRBNZの次回(2月19日)金融政策決定会合で0.50%の大幅利下げを90%程度織り込んでおり、年内に1.00%を超える利下げが実施されると見込まれている。足もとの為替相場はトランプ米大統領の発言や米国の関税政策をにらみながらの動きとなっているが、再び各国の金融政策に市場の目線が向かえばNZの金利先安観はNZドルにとって重しとなるだろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も金融政策を巡って神経質に上下する展開となりそうだ。来週は30日に南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が予定されている。市場では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想で固まりつつあるが、先行きについては不透明感が増したとの見方が広がっているようだ。トランプ米大統領の政策によってZAR安が強まるとの思惑から、SARBのインフレ見通しに対するリスクが高まったとして、「今年の利下げサイクルは減速するだろう」との声も聞かれ始めた。来週のSARB会合ではこうしたトランプリスクに関して、クガニャゴSARB総裁の見解を確認する必要があるだろう。

1月20日週の回顧
 豪ドルは強含みで推移。20日のトランプ米大統領就任後は上下に振れる場面があったものの、懸念されていた就任初日の関税発動が見送られたことから全般にドル安が進み、豪ドルも対ドルで強含んだ。豪ドル円もつれて堅調に推移。日米株価指数の上昇などを手掛かりに投資家のリスク志向改善を意識した買いも入った。

 ZARも対ドル・対円でともに強含み。日銀の利上げが市場でほぼ織り込まれたこともあり、今週は日銀の金融政策を巡る円買い圧力も後退した。(了)
(執筆:1月24日、9:00)

(越後)
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