NY株見通し-今週はトランプ関税、決算発表、経済指標に注目

 今週のNY市場は関税問題や決算発表、雇用統計などの経済指標に注目。先週はダウ平均が120.41ドル高(+0.27%)と3週続伸した一方、S&P500は1.00%安、ナスダック総合が1.64%安とともに3週ぶりに反落した。中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けて週明け月曜日にエヌビディアなどのAIインフラ株や関連の電力会社株が急落し、ナスダック総合が3%安でスタートしたほか、水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれ、声明文が利下げに消極的なややタカ派的内容と受けとめられたことも相場の重しとなった。ただ、好決算を発表したIBM、アップルが大幅高となったほか、ナイキ、アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの上昇も追い風となりダウ平均は週間で上昇を維持した。週末の動きではトランプ大統領がカナダ、メキシコ、中国に追加関税をかける大統領令に署名し、関税発動が正式に決定された。

 今週はトランプ関税による貿易摩擦や輸入物価上昇が相場の重しとなることが懸念されるほか、発表が集中する第4四半期決算や、雇用統計などの経済指標が焦点となりそうだ。決算発表はS&P500採用の120社以上が発表予定でアルファベット、アマゾンなどのメガキャップのほか、ウォルト・ディズニー、ペプシコ、モンデリーズ、チポトレ・メキシカン・グリルなどの決算やガイダンスが注目される。経済指標では週末金曜日に1月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、1月ISM製造業・非製造業PMI、12月JOLTS 求人件数、1月ADP民間部門雇用者数、2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値などにも要注目となる。

 今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業PMI確定値、12月建設支出、1月ISM製造業PMIなど。企業決算は寄り前にマクドナルド、タイソン・フーズ、引け後にパランティア・テクノロジーズなどが発表予定。(執筆:2月3日、14:00)
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