ロンドン為替見通し=ユーロドル、欧米貿易戦争開戦に向けて下値を探る展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が予告通りに鉄鋼・アルミへの25%関税賦課の大統領令に署名したことで、欧州への自動車関税への警戒感から下値を探る展開が予想される。

 本日のメインイベントはパウエルFRB議長の議会証言だが、1月FOMCでのタカ派的な据え置きを正当化すると予想されていることも、ユーロドルの上値を重くしている。

 トランプ米大統領は、本日、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウムへの25%の関税賦課の大統領令に署名し、3月4日に発動されると報じられている。
 第1次トランプ米政権では、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課したが、カナダ、メキシコ、ブラジルなど一部の貿易相手国に無関税枠を認めた。そして、バイデン前大統領も無関税枠を英国、日本、欧州連合(EU)にも拡大していた。
 しかし、今回の大統領令では、例外措置が撤回された。
 この後、11日か12日に相互関税を発表し、貿易相手国が米製品に課しているのと同率の関税が賦課されることになる。

 トランプ米大統領は、先日、「EUに対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べ、EUサイドも報復関税を示唆していたことで、北大西洋条約機構(NATO)への拠出金増加などを絡めて、欧米貿易戦争が勃発する可能性が高まりつつある。

 さらに、トランプ米大統領は今週、ゼレンスキー・ウクライナ大統領との会談を予定しており、イスラエルとハマスの軍事紛争をガザの占有という着地点のような難題を突き付ける可能性に警戒しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0385ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:158.01円(2/7高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0141ドル(2/3安値)
・ユーロ円:155.61円(2/10安値)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。