ロンドン為替見通し=欧米貿易戦争前夜のECB専務理事の発言に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領による欧州への自動車関税への警戒感が高まる中、エルダーソンECB専務理事のターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及に注目することになる。

 トランプ米大統領が、鉄鋼とアルミニウム輸入への25%関税賦課を発表した後、ラガルドECB総裁は、欧州議会での証言で、「ユーロ圏におけるディスインフレのプロセスは順調に進行している。世界的な貿易摩擦の増大は、域内のインフレ見通しをより不確実にするだろう」と警戒感を示していた。

 本日講演予定のエルダーソンECB専務理事は、先日、「ECBはまだ金利引き下げを終えていないが、今後の政策緩和の時期と規模は未確定」と述べていた。
 先日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、複数の高官が3月理事会では、中立金利水準(1.75%~2.50%)の上限までの追加利下げを示唆しており、エルダーソンECB専務理事の見解に注目しておきたい。

 ポンドドルは、タカ派のグリーンMPC委員の講演に注目しておきたい。
 昨日は、タカ派からハト派に転向していたマン英中銀委員が、インフレ抑制に向けた引き締めの必要性を強調したことで、英中銀の3月利下げの期待を若干後退させて、ポンドドルの買い戻しに繋がった。
 マン英中銀委員は、ハト派への転向と思われた0.5%の大幅利下げを主張したことに関しては、連続利下げを望んでいるとか3月にも同様の投票を行うという意味ではない、と釘を刺している。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0442ドル(2/5高値)
・ユーロ円:159.85円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2515ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:192.30円(日足一目均衡表・基準線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0292ドル(2/11安値)
・ユーロ円:155.61円(2/10安値)
・ポンドドル:1.2325ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:187.06円(2/7安値)


(山下)
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