ニューヨーク外国為替市場概況・18日 ドル円、小幅続伸

 18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら3日続伸。終値は149.27円と前営業日NY終値(149.21円)と比べて6銭程度のドル高水準だった。2月米住宅着工/建設許可件数や2月米輸入物価指数が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時149.93円と日通し高値を付けた。
 ただ、節目の150.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため、上値が重くなった。トランプ米政権による関税政策が貿易戦争や米経済の下押しにつながるとの懸念が根強い中、米国株相場が下落したことも相場の重し。好調な米20年債入札を受けて、米長期金利が低下幅を拡大したこともドル売りを促した。アジア時間の安値149.13円を下抜けると一時149.10円まで値を下げた。
 なお、トランプ米大統領とプーチン露大統領はこの日、ウクライナ停戦案を巡り電話協議を行った。プーチン氏はウクライナのエネルギー資産に対するロシアの攻撃を制限することを確約したものの、米国が提案した即時の全面的な停戦には同意しなかった。

 ユーロドルは3日続伸。終値は1.0945ドルと前営業日NY終値(1.0922ドル)と比べて0.0023ドル程度のユーロ高水準となった。独財政拡大やウクライナの停戦協議進展への期待から、欧州市場序盤には一時1.0955ドルと昨年10月10日の高値に面合わせする場面があった。
 ただ、NY市場に入ると米住宅指標の上振れなどを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが進行。21時30分過ぎに一時1.0893ドルと日通し安値を付けた。
 もっとも、前日の安値1.0869ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。「独連邦議会(下院)は財政改革パッケージ案を可決した」と伝わった直後こそ独長期金利の上昇幅縮小の動きに伴って1.0897ドル付近まで下押ししたが、そのあとは徐々に買いが強まり1.0952ドル近辺まで切り返した。米長期金利が低下に転じたこともドル売りを誘った。

 ユーロ円も3日続伸した。終値は163.39円と前営業日NY終値(162.98円)と比べて41銭程度のユーロ高水準。欧州市場では一時164.19円と1月7日以来の高値を付ける場面もあったが、NY市場では上値が重い展開に。ドル円の失速や米国株相場の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入り、一時163.02円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:149.10円 - 149.93円
ユーロドル:1.0893ドル - 1.0955ドル
ユーロ円:162.89円 - 164.19円

(中村)
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