株式明日の戦略-寄り付き天井で安値引け 後場安に対する警戒が高まる

 24日の日経平均は3日続落。終値は68円安の37608円。前週末の米国株高を受けて、3桁上昇スタート。しかし、寄り付きを高値に急失速し、マイナス圏に沈んだ。いったん盛り返したものの、買いが続かず再びマイナス転換。前場を横ばいで終えると、後場は狭いレンジでプラス圏とマイナス圏を行き来した。一桁の下落でクロージングオークションに突入するも、そこから大きく水準を切り下げ、安値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆7800億円。業種別では不動産、繊維、非鉄金属などが上昇した一方、銀行、機械、鉄鋼などが下落した。住友不動産<8830.T>が後場急騰。エリオット・インベストメント・マネジメントによる株式取得観測報道が刺激材料になっており、三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>など他の不動産株にも買いが波及した。半面、運営する老人ホーム「医心館」における不正観測が報じられたアンビスホールディングス<7071.T>が、場中は値が付かずストップ安比例配分となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり476/値下がり1105。主力どころではソフトバンクGやフジクラが大幅上昇。アシックスやミズノなどスポーツ関連の一角に資金が向かった。メタプラネットが商いを伴って7%近い上昇。通期の純利益見通しを引き下げたものの、期末の配当見通しの大幅引き上げが好感された太陽HDが一時ストップ高となるなど急騰した。

 一方、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般軟調。SCREEN、アドバンテスト、ディスコなど半導体株も下落銘柄が多かった。下方修正を発表した交換できるくんが大幅安。運営する「すき家」において異物混入報道に関するコメントを出したゼンショーHDが5%を超える下落となった。

 本日グロース市場に新規上場したミライロは、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は3日続落。19日と21日は前場堅調、後場軟調であったが、きょうはスタートだけが堅調であった。19日は安値引けで、21日は大引けが後場の安値。そしてきょうは、寄り付き天井で安値引け。特に後場が弱い日が続いている。トランプ関税の影響が読み切れない上に、3月に権利が確定する銘柄は週末には権利落ちで見た目の水準が大きく切り下がると思われるだけに、このタイミングで敢えてトレードする理由は乏しい。クロージングオークションで一段安となることへの懸念が払しょくされるまでは上値の重い状態が続くだろう。安値引けとはいえ大幅安ではないだけに、底堅く推移できるかは注目される。きょうの終値は37608円。直近で38000円を上回った場面もあっただけに、37500円辺りでは踏みとどまってほしいところだ。
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