ニューヨーク外国為替市場概況・7日 ドル円、4日ぶり反発

 7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反発。終値は143.83円と前営業日NY終値(142.45円)と比べて1円38銭程度のドル高水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に、しばらくは方向感に乏しい展開が続いた。ただ、FOMC公表直前にトランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と述べたと伝わると、株価の失速とともに売りが優勢となり一時142.91円付近まで下押しした。
 ただ、そのあとはドルを買い戻す動きが広がった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「経済の見通しを巡る不確実性はさらに増した」と強調し、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」と指摘した。また、パウエルFRB議長は会見で「経済は依然として堅調」「当面は明確化を待つのに有利な立場にある」「金利調整を急ぐ必要がない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な見方を示した。パウエル氏の発言をきっかけに全般ドル買いが活発化すると、5時30分前に一時144.00円と日通し高値を更新した。FOMCを無難に通過したことで、株価が持ち直したことも相場を下支えした。

 ユーロドルは4日ぶりに反落。終値は1.1301ドルと前営業日NY終値(1.1370ドル)と比べて0.0069ドル程度のユーロ安水準となった。米重要イベントを控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと全般ドル買いが優勢となった。5時30分前に一時1.1292ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は4日ぶりに反発。終値は162.55円と前営業日NY終値(161.98円)と比べて57銭程度のユーロ高水準。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開になった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

本日の参考レンジ
ドル円:142.42円 - 144.00円
ユーロドル:1.1292ドル - 1.1378ドル
ユーロ円:161.94円 - 163.02円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。