ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、大幅反発

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に反発。終値は148.46円と前営業日NY終値(145.37円)と比べて3円09銭程度のドル高水準だった。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退すると、ダウ平均が1100ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、3時30分前に一時148.65円と4月3日以来の高値を更新した。市場では「今回の米中協議で決まった関税率の引き下げ幅は予想よりも大きかった」との声が聞かれた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.98と4月10日以来の高値を付けた。

 ユーロドルは反落。終値は1.1087ドルと前営業日NY終値(1.1250ドル)と比べて0.0163ドル程度のユーロ安水準となった。米中両政府はこの日、互いに課した高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表。市場の期待を上回る内容との見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が進んだ。急ピッチで下落した反動などが出て、22時30分過ぎには1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、3時30分過ぎに一時1.1065ドルと4月10日以来の安値を付けた。
 なお、トランプ米大統領は「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」「対中関税を145%に戻すことはない」などと述べた。

 ユーロ円は反発。終値は164.59円と前営業日NY終値(163.53円)と比べて1円06銭程度のユーロ高水準。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和すると、日米株価指数が大幅に上昇。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時過ぎに一時164.92円と昨年11月15日以来約半年ぶりの高値を付けた。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1090円高の3万8790円まで上昇した。

本日の参考レンジ
ドル円:145.70円 - 148.65円
ユーロドル:1.1065ドル - 1.1244ドル
ユーロ円:163.36円 - 164.92円

(中村)
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