ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ドル円、3日続落

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は143.68円と前営業日NY終値(144.51円)と比べて83銭程度のドル安水準だった。「米国は米韓協議でウォン高に向けた対策を要求した」との一部報道を受けて、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議にあわせて開催される日米財務相会談や米関税措置を巡る3回目の日米交渉を前に、円安是正議論への思惑が高まり、円買い・ドル売りが先行した。
 NY午後に入り、米財務省が実施した20年債入札が「低調」と受け止められると、米長期金利が一段と上昇し、米国株相場がさらに下落。リスク回避の円買い・ドル売りも入り、2時30分前に一時143.29円と7日以来の安値を更新した。
 なお、加藤財務相は本日、カナダ・バンフでベッセント米財務長官と会談したと伝わった。また、赤沢経済財政・再生相は23日に訪米し、3回目の日米関税交渉に臨む予定となっている。

 ユーロドルは3日続伸。終値は1.1331ドルと前営業日NY終値(1.1283ドル)と比べて0.0048ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の上昇や米国株相場の下落を受けて、米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」を意識したドル売りが進んだ。低調な米20年債入札をきっかけに米トリプル安の様相がさらに強まると、2時30分前に一時1.1363ドルと日通し高値を更新した。
 なお、米10年債利回りは一時4.6025%前後と2月13日以来の高水準を付けたほか、米株式市場でダウ平均は一時890ドル超下落した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.34まで低下した。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は162.79円と前営業日NY終値(163.05円)と比べて26銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると一時163.31円と日通し高値を付けたものの、ドル円の下落につれた売りが出ると上値が重くなった。米国株相場の下落に伴うリスク・オフの円買い・ユーロ売りも入ると、5時前に一時162.63円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:143.29円 - 144.61円
ユーロドル:1.1281ドル - 1.1363ドル
ユーロ円:162.63円 - 163.31円

(中村)
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