ロンドン為替見通し=欧米通商交渉の関連ヘッドラインに要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ユーロ圏の経済指標を見極めながら、欧米通商交渉の関連ヘッドラインに注目していく展開が予想される。

 昨日、トランプ米大統領は、欧州連合(EU)から貿易協議の日程を早急に設定するよう要請があったとして、前向きな兆候であり、欧米の貿易の門戸を開くことを期待すると述べた。しかし、「合意に至らない、もしくはわれわれが不当な扱いを受ければ、私に米国との貿易を巡るディールを成立させる権限があることを忘れてはならない」とも警告している。

 欧米通商交渉が合意されないままでは、6月5日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、米関税政策をめぐる不確実性の高止まりを理由に据え置く可能性と、ユーロ圏の総合PMIが5カ月振りに50を割り込んだことなどを理由に追加利下げの可能性が入り混じったままとなる。

 レーンECB専務理事兼主任エコノミストは、ユーロ圏のインフレ率の低下継続を示す要因が大半である一方、欧米通商交渉の決裂リスクなどの他の要因がインフレ率を押し上げる可能性があるとの見方を示しており、金利政策の中道を模索する必要がある、との見解を示している。

 レーンECB専務理事は、「インフレが一段と低下する兆候が見られれば、追加利下げで対応する」と述べていることで、本日発表される4月独輸入物価指数や4月仏卸売物価指数(PPI)などを見極めることになる。

 また、5月の独ifo景況指数は、今後6カ月の期待指数の改善により前月から改善しており、本日発表される5月独雇用統計(予想:失業率6.3%/失業者数変化1.00万人)にも注目しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1419ドル(5/26高値)
・ユーロ円:165.21円(5/13高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1256ドル(5/22安値)
・ユーロ円:162.52円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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