NYマーケットダイジェスト・13日 株安・長期金利低下・ドル失速(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。6月米CPIが予想を上回り、約40年半ぶりの高い伸びを記録すると、FRBが積極的な金融引き締めを進めるとの見方が強まり株売りを誘った。急速な利上げを警戒し、指数は一時460ドル超下落する場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。6月米CPIが予想を上回ると売りが先行したものの、すぐに持ち直した。FRBによる大幅利上げ観測で、米経済が景気後退に陥る恐れがあるとの懸念が強まり、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。
 なお、2年債利回りは終値ベースで10年債を23ベーシスポイント(bp)上回り、景気後退の予兆とされる「逆イールド」が一段と進んだ。

・原油先物相場は3日ぶりの小幅な反発。需要減少を懸念した売りが先行。しかし、米インフレのピーク感や利上げが景気の重しになるとの見方もあって米10年債利回りなどがほどなく低下。ユーロなど主要な通貨に対してドルが軟化すると、ドル建て価格に割安感が生じ、買い戻しを誘った。

・金先物相場は3日ぶりに反発。強い米CPIを受け、FF金利先物はFRBの1.00%利上げを7割方は織り込む動きに。しかし、米10年債利回りは短期金利上昇が景気に悪影響となる可能性を反映して低下し、ドルは軟化。ドル安がドル建て価格の割安感につながり、金相場は上昇した。物価上昇をにらみ、インフレヘッジとしての金需要も下値を支えた。

(中村)
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