15日香港株=軟調か、米利上げ加速観測などを嫌気 中国の主要経済指標に注目

 15日の香港市場は軟調か。米インフレ指標の上振れが続き、米連邦準備理事会(FRB)が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1%の利上げを決めるとの観測が出ている。FRBの積極的な金融引き締めで景気が冷え込むことへの懸念に加え、金利差の拡大で香港など新興国市場から資金が流出する懸念が意識されそうだ。

 中国本土では当局の景気対策に対する期待が根強い半面、国内複数の地域で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、行動制限の強化で景気が減速することが警戒されている。また、不動産デベロッパーの資金繰りの問題などで建設が中断したプロジェクトの物件購入者が、住宅ローンの支払いを拒否する動きが全国に拡大しており、不動産販売と金融の安定に及ぼす悪影響への懸念も引き続き重荷になりそうだ。

 前日のNY市場でダウ平均は5営業日続落。ハイテク比率の高いナスダック総合は小幅に4日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アリババ集団(09988)が急落した。上海公安局のデータベースから10億人の個人情報が流出したと報道された事件にからみ、アリババ集団(09988)傘下クラウド部門の幹部が上海当局に呼び出されたとの情報が嫌気された。テンセント(00700)やHSBC(00005)、中国建設銀行(00939)など主力株も香港終値を下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を250ポイント超下回って寄り付くことになる。

 きょうは日本時間の午前11時に中国の4-6月実質国内総生産(GDP)など主要経済指標が発表される予定で、内容によっては相場の波乱要因となり得る。市場予想では4-6月GDPが前年同期比1%にとどまり、1-3月の4.8%増から大きく減速する。
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