株式明日の戦略-強い上昇で27000円台を回復、200日線上を維持できるか

 20日の日経平均は大幅に5日続伸。終値は718円高の27680円。米国株の大幅高を受けて、寄り付きから300円を超える上昇。高く始まった後も、寄り付きを安値に上げ幅を広げた。レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株の動きが良く、先高期待が高まる中で幅広い銘柄に買いが入った。指数は前場のうちに節目の27500円を上回り、上げ幅を600円超に拡大。後場は上昇ペースこそ鈍ったもののじり高基調が続き、700円を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8700億円。業種別では全業種が上昇しており、精密機器、電気機器、サービスでは上昇率が3%を超えた。一方、水産・農林、海運、電気・ガスなどは、小幅な上昇にとどまった。旅行関連株が人気化しており、アドベンチャー<6030.T>、エアトリ<6191.T>、HANATOUR JAPAN<6561.T>などが大幅上昇。反面、Shinwa Wise Holdings<2437.T>が商いを伴って急落。強く買われる場面もあったが、直近高値に接近したところで売りに押され、マイナス転換から下げ加速と乱高下した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1727/値下がり88。レーザーテックが5.2%高、東京エレクトロンが4.9%高、アドバンテストが4.7%高と、半導体株が軒並み大幅高。ソニーG、キーエンス、リクルート、村田製作所などグロース株の主力どころにも強い買いが入った。日本電産が決算発表を前に3%を超える上昇。利益見通しを引き上げたザインエレクトロニクスやアンビションが急伸した。Kakedas社を子会社化すると発表したジェイックは買いが殺到してストップ高となった。

 一方、九州電力や中国電力など電力株の一角が軟調。INPEXや海運株はプラスではあったが、全面高の地合いの中では見劣りする動きとなった。優待廃止を発表した光・彩が大幅安。臨床試験で主要評価項目を達成できなかったことを発表したナノキャリアは、売りが殺到してストップ安比例配分となった。

 きのうの日経平均は27000円より上ではもたついたが、きょうは27200円台からスタートして27600円台で終了。寄り付きが安値で高値を付けたのが引け間際と、非常に強い上昇となった。FOMCが近づいてきており、上にも下にも値幅は出やすい局面ではあるが、27500円を難なく超えてきた点は先高期待を強める。終値(27680円)では200日線(27611円、20日時点)を上回った。直近で強く買われた局面では200日線を超えたところで上昇一服となるパターンが繰り返されており、ここで踏ん張ることができるかが、あす以降の焦点となる。あす、国内では日銀会合の結果が公表される。金融政策は現状維持が濃厚で大きな波乱はなさそうだが、同じ日にECB理事会が開催される。欧米に比べると日銀のスタンスが株式市場にはフレンドリーという点が、日本株の上昇につながるかに注目したい。
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