株式明日の戦略-ファストリさまさまでも3日続伸、来週はFOMC前で方向感は出づらいか

 15日の日経平均は3日続伸。終値は145円高の26788円。米国株はまちまちとなったが、引け味は悪くなく、ナスダックはプラスで終えたことから、買いが優勢の展開。開始早々には上げ幅を200円超に広げた。上方修正を発表したファーストリテイリングの大幅高だけが目立ち、他の主力銘柄は案外となったことから、いったん急失速してマイナス転換。しかし、下げたところでは押し目買いが入り、ほどなくプラス圏に浮上した。そこから再び上げ幅を3桁に拡大。序盤の高値は超えられなかったものの、26800円近辺で値動きが落ち着き、後場はこう着感の強い時間帯が続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5400億円。業種別ではその他製品、電気・ガス、精密機器などが上昇した一方、鉱業、銀行、保険などが下落した。映像コンテンツの企画・制作を手掛けるダイナモピクチャーズを子会社化すると発表した任天堂<7974.T>が大幅上昇。半面、今期の営業減益計画が嫌気された佐鳥電機<7420.T>が急落した。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり689/値下がり1074。好決算を発表してきょうの主役となったファーストリテイリングが8.7%高。塩野義製薬がコロナ治療薬に関するポジティブなリリースを材料に3%超上昇した。大型トラックの生産を再開していると報じられた日野自動車が大幅高。今期の大幅増益見通しが好感されたSansanが17.4%高と急騰した。TKPやPRTIMESなども決算を材料に急騰。岸田首相が原発稼働について言及したことから、関西電力、九州電力、四国電力など電力株の多くに資金が向かった。

 一方、米国で金融株が決算を受けて売られたことから、三菱UFJ、三井住友、第一生命、T&Dなど金融株が軒並み安。レーザーテック、東京エレクトロンなど大手半導体株のほか、ソフトバンクGなど主力のグロース株は、序盤に買われる場面があったものの、買いが続かず下落した。原油安を受けてINPEXのほか、三井物産や住友商事など商社株が軟調。IDOMやセラクが決算を受けて急落し、上期が営業赤字拡大となったトゥエンティーフォーセブンがストップ安比例配分となった。

 日経平均は3日続伸。145円高でファーストリテイリングのプラス寄与分が約214円と、ファストリさまさまといった上昇ではあったが、それでしっかり1日持ったことは特筆される。今週発表された米国の6月消費者物価指数(CPI)は強く、7月FOMCでは大幅利上げが濃厚。東京市場は三連休前で、ファーストリテイリングが失速すれば、日経平均が大幅安となってもおかしくはなかった。半導体株などは弱かっただけに、売りから入って取りたい主体がいれば、仕掛けやすい環境であったと思われる。しかし、指数は崩れなかったどころか後場は概ね高値圏で張り付き、不安定な動きすら見せなかった。米国株はともかく、日本株のここからの下値余地は限定的なのかもしれない。


【来週の見通し】
 一進一退か。18日が海の日により休場で立ち合いは4日。翌週(26~27日)にFOMCを控える中で、日銀金融政策決定会合(20~21日)とECB理事会(21日)を消化する。国内では日本電産、海外ではネットフリックスやテスラなどの決算発表があり、色々と慌ただしい。ただ、指数に関しては、上下どちらかに大きく振れたとしても、それを修正する動きが出てくると考える。米6月CPIが強かったことで、市場では7月のFOMCで1%の利上げが決定される可能性まで織り込んだ。弱材料にはある程度耐性を示すとみる一方、7月FOMCでどういったメッセージが市場に届けられるかを確認するまでは、腰の入った買いは入りづらい。国内では翌週から決算発表が本格化することもあり、各種材料を消化しながらも「待ち」の姿勢が続き、方向感が定まらないと予想する。
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