NY為替見通し=FRB議長、先行き不透明感を強める可能性も

 本日のニューヨーク為替市場では、最大の注目はやはり米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とその後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)の定例記者会見。しかしながら時間帯はNY午後(日本時間28日3時と3時30分)であり、やや先の話となる。それまでは手持ち無沙汰ではあるものの、企業決算を受けて米株が動意付くようであれば、リスクセンチメントの強弱に為替は振らされることになりそうだ。

 昨日のNY株式市場引け後に決算を発表したアルファベット、マイクロソフトが時間外で大幅に反発。ナスダック100先物も昨日の下落分を大きく取り戻した。FOMCがグロース株に優しい政策を取るかは未知数だが、NY前半に関してはハイテク株主導でリスク回避の巻き戻しも期待できるかもしれない。

 なおFOMCの結果に対する市場予想は0.75%の利上げ。一時期盛り上がった1%利上げは少数派のもよう。その後のパウエルFRB議長の記者会見は確かに重要だが、年後半にかけての利上げペースについて、市場を納得させるような内容は示されないかもしれない。というのも、明日から来月前半にかけては今後の金融政策の行方を左右しそうな重要指標が控えているからだ。

 明日が4-6月期米GDP、明後日は6月PCEデフレーター、8月第一週も経済指標が目白押しのなか5日には米雇用統計、その翌週は10日に消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。そのためパウエル議長は今後について、「データ次第」という言葉を何度か強調することになるかもしれない。

 FRB議長の記者会見で政策の先行き不透明感がもし強まってしまえば、それぞれの思惑で金融市場はかなり荒い値動きとなりそうだ。そうなるとドル円は、米・中長期金利の方向性にただ付いて行くしかないか。

想定レンジ上限
・ドル円は日足一目均衡表・転換線137.35円を目先の上値めどとし、超えると22日高値137.96円を目指す展開。

想定レンジ下限
・ドル円は25日安値135.89円や22日安値135.57円が下値で意識される水準。


(小針)
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