NYマーケットダイジェスト・22日 株大幅安・金利上昇・ドル高・ユーロ安

(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=137.48円(前営業日比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.70円(▲0.86円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9943ドル(▲0.0094ドル)
ダウ工業株30種平均:33063.61ドル(▲643.13ドル)
ナスダック総合株価指数:12381.57(▲323.64)
10年物米国債利回り:3.01%(△0.04%)
WTI原油先物9月限:1バレル=90.23ドル(▲0.54ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1748.4ドル(▲14.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。欧州の天然ガス先物価格が20%超急騰するなど、エネルギー供給の先行き不透明感が根強い中、ユーロ圏景気の悪化を懸念したユーロ売り・ドル買いが優勢となった。7月14日の安値0.9952ドルを下抜けると一時0.9926ドルと2002年12月以来の安値を更新した。
 ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムは前週末、欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」について、8月31日から9月2日までの3日間、点検のためガス供給を停止すると発表した。ただ、市場では「メンテナンス作業後もサービスが計画通りに復旧しないのではないか」との懸念が強まっている。

・ドル円は5日続伸。欧州市場では一時136.70円まで値を下げたものの、NY市場では底堅く推移した。対ユーロ中心にドル高が進んだ流れに沿って円売り・ドル買いが出たほか、米10年債利回りが3.0386%前後と7月21日以来約1カ月ぶりの高水準を付けたことがドル買いを促し、一時137.65円と7月22日以来1カ月ぶりの高値を更新した。
 今週26日には米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演する。市場では「タカ派的なスタンスが改めて示される」の見方が広がっており、ドル買いを誘った面もある。

・ユーロ円は反落。ドル円の上昇につれた買いが入った半面、ユーロドルの下落につれた売りが出たため、2時30分前には一時136.40円と日通し安値を付けた。
 ロシアからのエネルギー供給不安が再燃し、欧州の景気後退(リセッション)懸念が強まる中、独DAXは2.3%超急落。ダウ平均も一時700ドル近く下落した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。26日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演に注目が集まる中、市場では「FRB当局者らがタカ派的なスタンスを改めて示す」との見方が広がっており、米長期金利が約1カ月ぶりの水準まで上昇。株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。欧州株相場の下落も投資家心理を冷やした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。26日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演に注目が集まる中、市場では「タカ派的なスタンスが改めて示される」との見方が広がっており、債券売りを誘った。利回りは一時3.0386%前後と7月21日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は4日ぶりに小反落。先週のFRB高官によるタカ派な発言が金融引き締め継続の思惑を強め、景気を圧迫してエネルギー需要を弱めるとの見方につながっている。米金利上昇にドル高もドル建て価格の割高感を意識させ、投資意欲を後退させて、先週末比で一時4ドル以上も下落。ただ、サウジアラビア・エネルギー相の「市場安定のために原油生産を引き締める必要」との発言が伝わったこともあり、下落幅を縮小した。

・金先物相場は大幅に6日続落。先週、FRB高官のタカ派な発言が相次いだ流れを受けた米金利上昇・ドル高が重し。金利上昇は金利が付かない資産である金の相対的な価値低下を意識させた。ドル高は、ドル建て金価格の割高感につながり、売りを誘った。

(中村)
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