NYマーケットダイジェスト・30日 株は1カ月ぶり安値・原油急落・ユーロ底堅い

(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=138.79円(前営業日比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=138.99円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0015ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:31790.87ドル(▲308.12ドル)
ナスダック総合株価指数:11883.14(▲134.53)
10年物米国債利回り:3.10%(横ばい)
WTI原油先物10月限:1バレル=91.64ドル(▲5.37ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1736.3ドル(▲13.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。8月米消費者信頼感指数が103.2と予想の97.9を大幅に上回ったことが伝わると、米10年債利回りが一時3.1493%前後と6月29日以来約2カ月ぶりの高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、一時0.9983ドル付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値0.9982ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)による大幅利上げ観測の高まりを背景に、ドル以外の通貨に対してはユーロ買いが強まった影響も受けた。
 ユーロポンドは一時0.8604ポンド、ユーロ豪ドルは1.4632豪ドル、ユーロNZドルは1.6353NZドル、ユーロカナダドルは1.3140カナダドル、ユーロスイスフランは0.9773スイスフランまで上昇した。なお、一部のECB政策委員会メンバーからは「記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき」との声が上がっている。

・ドル円は小幅ながら3日続伸。6月米ケース・シラー住宅価格指数や6月米住宅価格指数など住宅関連の指標が予想を下回ると伸び悩む場面もあったが、その後発表の米消費者信頼感指数が予想を上回ったことが分かると米金利の上昇とともにドル買いが進んだ。アジア時間の高値138.78円を上抜けて、一時139.07円まで上値を伸ばした。
 ただ、7月14日に付けた1998年9月以来の高値139.39円がレジスタンスとして意識されると上昇が一服。3時30分過ぎには138.61円付近まで下押しした。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)執行部の1人であるウィリアムズNY連銀総裁はこの日、「インフレは依然として高過ぎる」と述べ、金融引き締め姿勢を来年まで継続する姿勢を示した。

・ユーロ円は3日続伸。ECBによる大幅利上げ観測の高まりを背景に全般ユーロ買いが強まると、一時139.22円と7月28日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。

・カナダドルは軟調だった。WTI原油先物価格が一時6%超下落すると、産油国通貨であるカナダドルに売りが集まった。対米ドルでは一時1.3108カナダドル、対円では105.80円までカナダドル安に振れた。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも軟調。対ドルで20.2082ペソ、対円で6.86円まで値を下げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、7月26日以来約1カ月ぶりの安値となった。足もとの相場急落を受けて短期的な戻りを期待した買いが先行したものの、買い戻しが一巡すると下げに転じた。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が強まる中、米景気の悪化を懸念した売りが優勢となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落し7月26日以来約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。欧米中銀による大幅利上げ観測が高まる中、世界的な景気減速への懸念から債券買いが入ったものの、8月米消費者信頼感指数が予想を大幅に上回ったことが伝わると一転売りが優勢となり値を消した。利回りは一時3.1493%前後と6月29日以来約2カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。

・原油先物相場は3日ぶりに大幅反落。前日に約1カ月ぶりの高値をつけた反動から利益確定目的の売りが先行。FRBやECBの大幅利上げ観測が高まるなか、世界的な景気減速への懸念が強まったことも相場の重しとなった。

・金先物相場は3日続落。この日発表された8月米消費者信頼感指数が市場予想を大きく上回る強い結果になると、米長期金利が上昇。金利がつかない資産である金相場は売りに押された。

(中村)
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