ロンドン為替見通し=スウェーデン中銀の利上げ幅とエストニア中銀総裁講演に注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、NYカットオプションのパリティー(1ユーロ=1ドル)付近での動きづらい展開が予想される。

 16時30分に発表されるスウェーデン中銀の政策金利は、1.50%に引き上げられることが予想されている。8月のスウェーデンの消費者物価指数は、前年比+9.0%となり、1991年6月以来の高水準を記録した。スウェーデン中銀は6月に、政策金利を0.50%引き上げて0.75%とした。そして、中銀は、今後数カ月の間に一段の利上げを行う必要があるとし、金利は来年初頭に2.0%程度に達する可能性があると指摘していた。

 17時から予定されているタカ派のミュラー・エストニア中銀総裁の講演では、次回の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ幅を見極めることになる。ミュラー・エストニア中銀総裁は、9月のECB理事会での0.75%利上げを主張していたタカ派であり、本日も次回理事会での0.75%程度の利上げに言及することが予想されている。

 一方で、ユーロ圏のリスクシナリオは、ロシアからの天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」の稼働が停止していることによるエネルギー危機、スタグフレーションやリセッション(景気後退)への懸念が高まっていることが挙げられる。さらに、先日、ノルウェーのエネルギー大手エクイノールが、英国を除く欧州の電力会社がヘッジ取引に伴う追加証拠金(マージンコール)を少なくとも1兆5000億ユーロも差し入れる必要があり、公的支援の拡充が必要だと訴えていたことにも、要警戒か。
 欧州連合(EU)は、エネルギー市場の担保要件を緩和する計画を提案しており、関連ヘッドラインに注目しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、一目・転換線の1.0065ドル、ユーロ円は9月14日の高値の144.48円。ユーロスウェーデンクローナは年初来高値10.9046SEK。

想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、9月14日と15日の安値の0.9956ドル、ユーロ円は9月14日の安値の142.30円。ユーロスウェーデンクローナは13日安値10.5988SEK。


(山下)
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