ロンドン為替見通し=ユーロドル ECB総裁の発言に注目、その後はOPが支配か

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、前半に予定されているラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演内容が注目される。同総裁は先週、ユーロ圏のインフレ抑制に向けた強い意志を示した。ただ前回のECB理事会で決定されたような大幅利上げが継続されるかは不透明。ECBチーフ・エコノミストのレーン専務理事においては先日、急速な利上げについては慎重な姿勢を見せている。ラガルド総裁からは「引き上げ幅はデータ次第」という決まり文句が出てきそうではあるが、今年の残り2会合に向けて何らかのサインが出るかもしれず、発言内容は注視したい。
 
 なお他にも本日は、レーン・フィンランド中銀総裁とビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されている。

 日本時間18時に発表される8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は改定値のため、よほど速報値から外れなければ、市場インパクトは弱いだろう。HICP速報値は前年比9.1%、同コアは4.3%だった。

 もし欧州前半で動意付かない場合、ユーロドル相場は、来週のNYカットではあるがパリティ(1ユーロ=1ドル)のオプションに支配されることになるか。米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、利上げ幅(0.75%または1%)への思惑が交錯中。結果発表後となる22日NYカットでは、パリティをストライクとしたオプション規模が拡大中だ。それらに絡んだ売り買いで値幅が狭められることになるかもしれない。

 ところでイタリアでは今月25日、ドラギ政権が崩壊したことで前倒しとなった議会選挙が実施される。報道によれば、野党の極右政党「イタリアの同胞(FDI)」が支持率でトップ。そのFDIは他の右派政党とも共闘し、右派連合は過半数を得る可能性があるという。同連合は減税を公約に掲げており、伊財政健全化の更なる遅れに繋がりかねず、ユーロにとっても決して喜ばしいことではないだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0031ドルを目先の上値めどとし、超えると同基準線1.0096ドルが意識される。

想定レンジ下限
・ユーロドルは14・15日安値0.9956ドルから8日安値0.9931ドルが支持帯。


(小針)
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