ロンドン為替見通し=まずは欧州債の動向を見極め、ECB総裁講演にも注目

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州債券市場の動向見極めながらの取引となりそうだ。欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げと引き締め強化継続スタンスを受け、欧州債券利回りは昨日大きく上昇。米金利先高も高まったままということもあり、ドルロングは依然として溜まったままだろう。そういったなか、本日も欧州金利が上昇基調を強めるようならば、さすがにユーロに資金を戻すという動きも出てきそうだ。

 昨日ユーロドル反発のきっかけとなった一部通信社がECB当局者の話として報じた「10月理事会での0.75%利上げを排除しない」は、欧州債券市場のクローズ後に出た話。それでも独10年債利回りは14ベーシスポイント(bp)上昇し、2011年以来の水準を記録した同2年債利回りに至っては23bp弱も上げ幅を拡大して終えた。それぞれ1.717%と1.334%で引けた独10年債と2年債の方向性が為替の流れを作りそうだ。

 ただし、急激な欧州の金利上昇が同地域の景気停滞懸念を高めることは避けられない。また南欧の債務国にとっても財政負担が更に拡大することになってしまう。欧州昼前に予定されている講演で、ラガルドECB総裁がタカ派をけん制する発言をするようならば、ユーロドルの上げも頭打ちとなってしまうかもしれない。

 その他、昨日6月以来の0.87ポンド台に乗せたユーロポンドや、144円台で2015年以来の高値を記録したユーロ円などが、更に買いの勢いを強めることができるかも注目したい。

想定レンジ上限
・ユーロドルは日足一目均衡表・基準線1.0116ドルが上値めど。

想定レンジ下限
・ユーロドルは昨日安値0.9931ドルが下値めど。

(小針)
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