NY為替見通し=米・加市場休場で動きは限定的か、欧州エネルギー情勢などには要警戒

 欧州時間に入り、ドル円は堅調に推移。本日アジア時間で市場の動きを引っ張っていた欧州通貨は買い戻しが入っている。欧州通貨は、アジア時間に前日の高値や安値を大きく更新した場合は、欧州勢はまずはその修正から入ることが多い。よって、ユーロドルが0.9878ドルまで下値を広げた後に、0.9937ドルまで買い上げられたことは、前営業日の安値0.9943ドルまでの窓を埋めたともいえるか。

 本日は欧州引け(ロンドン時間17時)を過ぎると、米国とカナダがレーバーデーで、北米市場が休場となり、値動きは限定的になる。北米市場が休場となる場合の、為替を担当するディーラーは、通常は欧州本店(もしくはハブとなる支店)からごくわずかなディーラーが残るか、NYのディーラーが数人程度休日出勤をして万が一に備えることになる。このような状況下では、大きなリスクを持つこともできず、よほどのことがない限りは、動意薄となる。

 取引が閑散となる中で警戒が必要なのは欧州情勢。週末に露国営の天然ガス会社ガスプロムが、欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム1」の供給再開を暫く延期すると発表したことで、TTFガス先物は急騰している。この対策として、欧州連合(EU)首脳や明日新首相に任命される英国の首相がどのような対策を講じるかに注目が集まる。また、OPECプラスの会合も開かれていることで、予期せぬニュース等が流れてきた場合には警戒を怠らないようにしたい。他にも、ザポリージャ原子力発電所への砲撃などが再び行われ、最悪の事態などが起こらないかも注意しておきたい。

 市場の目が欧州に向いていることで、ドル円の動きは欧州通貨と比較すると若干落ち着く可能性もある。ただし、ドル円の底堅い動きは変わらないか。もし、欧州のエネルギー問題が悪化した場合は、欧州通貨に対するドル買いに連れてドル円も買われるだろう。逆に、欧州からポジティブなニュースが仮に流れた場合でも、クロス円の買い戻しが優勢となることが予想されることで、ドル円は大きく崩れるのは難しそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、節目の141.00円や1998年8月27日安値141.76円。
 ユーロ円は先週末2日高値140.75円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、先週末2日安値139.87円が最初の支え、その下は日足一目均衡表・転換線138.49円。
 ユ-ロ円は日足一目均衡表・転換線138.14円

(松井)
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