NY為替見通し=ドル円、米金利の動向次第 21世紀初の140円を意識

 本日のニューヨーク為替市場も米国の金利動向に振らされる展開が続きそうだ。ほとんどの米連邦準備理事会(FRB)高官がインフレ抑制に向けて断固たる姿勢で臨むことを強調。株式市場が望んでいた利上げペース鈍化や、一部で期待が膨らんでいた来年前半での利下げの可能性はかなり後退している。

 ただ、明日の8月米雇用統計を控えて、米債券市場に調整が入ってもおかしくはないか。前回から下振れが見込まれている8月米ISM製造業景気指数が予想52.0よりも更に悪化するようならば、米10年債利回りも昨日の上昇幅を縮めることになりそうだ。もしそうなった場合は、ドル円も心理的な節目140円はお預けとなるかもしれない。

 もちろん米債券への売り(金利上昇)が止まらないようなら、21世紀では初めての1ドル=140円達成も意外とあっさりかもしれない。いずれにせよ米金利次第は変わらずだろう。

 また、本日のWTI原油先物もかなり荒い値動き。需給ひっ迫への警戒感がやや緩み、時間外では前日比で約2.6%まで低下幅を広げた。産油国通貨のカナダドル(CAD)も対ドルを中心に弱含んだ。来週には追加利上げが確実視されるカナダ中銀会合を控えているものの、その前にCADの下値を試すことになるか。

想定レンジ上限
・ドル円は本日高値139.68円、ドル/カナダドルは7月14日高値1.3224CADが目先の上値めど。超えるとそれぞれ、140円や1.33CADが意識される。

想定レンジ下限
・ドル円は昨日安値138.27円、ドル/カナダドルも昨日安値1.3063CAD。

(小針)
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