NY為替見通し=米国7月PPIとバイデン米政権の対中追加関税報道に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国7月の卸売物価指数(PPI)を見極めながら、アジア市場で報じられたバイデン米政権の対中制裁追加関税報道の真相を見極めることになる。

 米国7月の米卸売物価指数(PPI)は前年比+10.4%と予想されており、6月の前年比+11.3%からの鈍化が見込まれている。7月のPPIが予想通りに鈍化していた場合、8月の消費者物価指数が鈍化する可能性が高まることで、「インフレピーク説」が台頭することになり、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅が0.50%に落ち着く可能性が高まることになる。
 しかしながら、8月26日発表の7月PCE総合価格指数や9月13日発表の8月消費者物価指数までは、予断を許さない状況が続くことになる。

 アジア市場では、関係筋の話として、バイデン米政権は台湾を巡る米中関係の緊迫化を受けて、物価高抑制のために検討していた対中制裁関税の一部撤廃を白紙に戻し、さらなる追加制裁関税を検討していると報じられたが、中国側の反応は今のところ確認されていない。

 もし、バイデン米政権が、中国の軍事演習への牽制として、さらなる対中制裁関税を打ち出した場合、対内的には物価上昇に拍車をかけ、対外的には中国との対立が激化することになることで、関連報道に警戒しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値の目処(めど)は、一目均衡表・雲の上限の134.51円

・想定レンジ下限
 ドル円の下値の目処(めど)は、8月10日の安値の132.03円。

(山下)
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