NY為替見通し=米国7月雇用統計に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、8月7日まで継続予定の台湾周辺での中国の軍事訓練による地政学リスクに警戒しながら、米国7月の雇用統計を見極める展開が予想される。

 米国7月の雇用統計の予想は、失業率が3.6%で6月の3.6%と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比25万人の増加で、6月の前月比+37.2万人からは、増加幅の減少が見込まれている。
 米国7月の雇用関連指標は、消費者信頼感指数での勤労市場格差は37.8(雇用が「十分にある」:50.1%、職を得るのが困難:12.3%)と発表されており、6月の39.9から低下していた。また、7月のISM製造業「雇用」指数は49.9で、6月の47.3から改善、ISM非製造業「雇用」指数は49.1で、6月の47.4から改善していた。しかし、雇用統計の調査対象週(7月12日週)の新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数は、6月から増加しており労働市場の悪化を示唆している。

 雇用統計がポジティブサプライズならば、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.50-0.75%となる可能性が高まり、ネガティブサプライズならば、0.25-0.50%となる可能性が高まることになる。

 中国外務省は、「ペロシ米下院議長の台湾訪問に対して制裁を科す」と表明し、中国政府は「米国との軍事対話を取りやめ。気候を巡る協議は停止」と表明している。バイデン米政権の対中関税撤廃も取りやめとなる公算が高まることで、リスク回避の円買いが強まる可能性に要警戒か。

 ドル円のテクニカル分析では、5月24日の126.36円から7月14日の139.39円まで上昇した後、半値押しの132.88円、61.8%押しの131.34円を下回り、130.41円まで下落した後、反発局面にある。一目均衡表では、転換線(133.94円)は基準線(134.90円)を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中(上限133.74円・下限131.68円)で推移していることで、売りシグナルが優勢な展開となっている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値の目処(めど)は、8月4日の高値の134.42円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値の目処(めど)は、8月3日の安値の132.29円。


(山下)
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