ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、続伸

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は144.74円と前営業日NY終値(144.46円)と比べて28銭程度のドル高水準だった。日本時間夕刻に一時144.21円と日通し安値を付けたものの、前日の安値144.07円が目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、4時30分過ぎに一時144.81円と日通し高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったことも相場の支援材料となった。米10年債利回りは取引終盤に3.83%台まで上昇した。
 ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。市場では22日の円買い介入が行われた145円台が防衛ラインとして意識されている。

 ユーロドルは3営業日ぶりに小反落。終値は0.9802ドルと前営業日NY終値(0.9815ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化がユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった。22時30分前には一時0.9735ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回ったことが分かるとドル売りで反応。24時30分前には0.9818ドル付近まで下げ渋る場面があった。市場では「月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれた。

 オセアニア通貨は軟調だった。一時は130ドル超上昇したダウ平均が500ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6392米ドル、NZドル米ドルは0.5591米ドルまで売られたほか、豪ドル円は92.52円、NZドル円は80.95円まで値を下げた。

 ユーロ円は小幅ながら3日続伸。終値は141.88円と前営業日NY終値(141.81円)と比べて7銭程度のユーロ高水準。22時30分前に一時140.79円と日通し安値を付けたものの、そのあとはドル円の上昇とユーロドルの下げ渋りにつれた買いが入り142円台前半まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:144.21円 - 144.81円
ユーロドル:0.9735ドル - 0.9854ドル
ユーロ円:140.79円 - 142.29円

(中村)
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