欧州マーケットダイジェスト・3日 株高・金利低下・ドル失速

(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.65円(3日15時時点比▲0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.67円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9794ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:6908.76(前営業日比△14.95)
ドイツ株式指数(DAX):12209.48(△95.12)
10年物英国債利回り:3.964%(▲0.129%)
10年物独国債利回り:1.917%(▲0.191%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
9月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比                ▲0.2%      0.3%
9月スイス製造業PMI         57.1        56.4
9月仏製造業PMI改定値        47.7        47.8
9月独製造業PMI改定値        47.8        48.3
9月ユーロ圏製造業PMI改定値     48.4        48.5
9月英製造業PMI改定値        48.4       48.5

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ポンドドルは上昇。アジア時間に一時1.1086ドルまで売られる場面もあったが、クワーテング英財務相が所得税の最高税率の引き下げ案を撤回すると表明すると、英財政悪化に対する過度な警戒感が後退しポンド買いが入った。NYの取引時間帯に入ると、9月米ISM製造業景気指数が50.9と予想の52.2を下回ったことが伝わり、米長期金利が急低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.1334ドルまで上値を伸ばした。

・ユーロドルは下値が堅い。経営不安でクレディ・スイス・グループの株価が急落すると、欧州の主要株価指数が大幅に下落。ユーロを売る動きが優勢となり、19時前に一時0.9753ドルと日通し安値を更新した。ただ、NY市場に入ると米経済指標が予想を下回ったことを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進行。米国株の大幅上昇につれて欧州株が持ち直したこともユーロの支援材料となり、一時0.9844ドルと日通し高値を更新した。

・ドル円は頭が重かった。日米金融政策の方向性の違いから押し目買いなどが先行すると、18時30分過ぎに一時145.21円付近まで値を上げた。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強い中、アジア時間に付けた日通し高値145.30円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
 NY市場に入ると、予想を下回るISM製造業景気指数を受けて、米10年債利回りが前営業日比0.2631%低い3.5655%前後まで大幅に低下。全般ドル売りが優勢になると、前週末安値144.21円を下抜けて一時144.16円まで値を下げた。

・ユーロ円は方向感に乏しい展開。17時30分過ぎに一時142.46円と日通し高値を付けたものの、21時前には141.37円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は142.03円付近まで下げ渋った。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

・ロンドン株式相場は続伸。クワーテング英財務相が「高所得者向けの所得税減税を撤回する」と表明すると、英財政悪化に対する過度な警戒感が後退し買いが入った。ただ、新政権が発足したばかりにもかかわらず、政策の一部を撤回するなど今後の政策運営への不安も残るだけに、積極的に上値を試す展開にはならなかった。

・フランクフルト株式相場は続伸。経営不安でクレディ・スイス・グループの株価が急落すると、欧州株全般に売りが先行。指数は一時2%超下落した。ただ、米国株相場が大幅に上昇すると独株にも買いが波及し上げに転じた。個別ではザルトリウス(5.40%高)やBASF(3.38%高)、コベストロ(3.28%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。9月独・ユーロ圏製造業PMI改定値が予想を下回ったことで、欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ継続観測が後退。独国債が買い直された。

(中村)
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