欧州マーケットダイジェスト・30日 株高・金利低下・ポンド乱高下
(30日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.72円(30日15時時点比△0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.75円(▲0.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9795ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:6893.81(前営業日比△12.22)
ドイツ株式指数(DAX):12114.36(△138.81)
10年物英国債利回り:4.093%(▲0.050%)
10年物独国債利回り:2.108%(▲0.073%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは方向感に乏しい展開だった。ポンドドルの上昇につれた買いが先行すると一時0.9854ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は戻り売りなどに押された。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化が、ユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いだった。22時30分前には一時0.9735ドルと日通し安値を更新した。
ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回ったことが分かるとドル売りで反応。24時30分前には0.9818ドル付近まで持ち直した。市場では「月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが出た」との声も聞かれた。
なお、この日発表された9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比10.0%上昇と予想の9.7%上昇を上回り、過去最高を記録した。市場では「欧州中央銀行(ECB)が10月にも大幅利上げを再び行うとの観測が強まりそうだ」との声が聞かれた。
・ポンドドルは乱高下。英中銀による一時的な国債買入れ措置発表後からのショートカバーが先行。月末・期末に絡んだポンド買いへの思惑も浮上し、一時1.1234ドルまで値を上げた。
ただ、英政府の大規模な減税策による財政悪化とインフレへの懸念から、買い一巡後は一転下落した。21時前には1.1025ドルと日通し安値を更新した。もっとも、ロンドン・フィキシングにかけては1.1177ドル付近まで上昇するなど荒い値動きとなった。
・ドル円は底堅い動き。米10年債利回りが3.67%台まで低下したことを受けて一時144.21円と日通し安値を付けたものの、前日の安値144.07円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、一時144.79円と日通し高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったことも相場の支援材料。
ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。米シカゴPMIや米消費者態度指数が予想を下回ったことも相場の重し。
なお、財務省が発表した8月30-9月28日の為替介入実績は2兆8382億円だったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は一進一退。17時30分前に142.20円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値142.29円がレジスタンスとして働くと失速。22時30分前には140.79円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとはユーロドルの持ち直しにつれた買いが入り141.97円付近まで下値を切り上げた。
・ロンドン株式相場は小反発。前日に大幅下落し昨年7月20日以来の安値を付けたあとだけに押し目買いが入った。ただ、英政府の大規模な減税策による財政悪化とインフレへの懸念が引き続き相場の重しとなったため、上値は限定的だった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の上昇が目立った。ロイズ・バンキングなど金融株も買われた。
・フランクフルト株式相場は反発。独ショルツ政権が発表した高騰するガス価格を抑制するための総合対策を好感した買いが入った。前日に約2年ぶりの安値を付けたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではボノビア(5.61%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(5.40%高)、ザランド(4.20%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=144.72円(30日15時時点比△0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.75円(▲0.20円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9795ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:6893.81(前営業日比△12.22)
ドイツ株式指数(DAX):12114.36(△138.81)
10年物英国債利回り:4.093%(▲0.050%)
10年物独国債利回り:2.108%(▲0.073%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは方向感に乏しい展開だった。ポンドドルの上昇につれた買いが先行すると一時0.9854ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は戻り売りなどに押された。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化が、ユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いだった。22時30分前には一時0.9735ドルと日通し安値を更新した。
ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回ったことが分かるとドル売りで反応。24時30分前には0.9818ドル付近まで持ち直した。市場では「月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが出た」との声も聞かれた。
なお、この日発表された9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比10.0%上昇と予想の9.7%上昇を上回り、過去最高を記録した。市場では「欧州中央銀行(ECB)が10月にも大幅利上げを再び行うとの観測が強まりそうだ」との声が聞かれた。
・ポンドドルは乱高下。英中銀による一時的な国債買入れ措置発表後からのショートカバーが先行。月末・期末に絡んだポンド買いへの思惑も浮上し、一時1.1234ドルまで値を上げた。
ただ、英政府の大規模な減税策による財政悪化とインフレへの懸念から、買い一巡後は一転下落した。21時前には1.1025ドルと日通し安値を更新した。もっとも、ロンドン・フィキシングにかけては1.1177ドル付近まで上昇するなど荒い値動きとなった。
・ドル円は底堅い動き。米10年債利回りが3.67%台まで低下したことを受けて一時144.21円と日通し安値を付けたものの、前日の安値144.07円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、一時144.79円と日通し高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったことも相場の支援材料。
ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。米シカゴPMIや米消費者態度指数が予想を下回ったことも相場の重し。
なお、財務省が発表した8月30-9月28日の為替介入実績は2兆8382億円だったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は一進一退。17時30分前に142.20円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値142.29円がレジスタンスとして働くと失速。22時30分前には140.79円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとはユーロドルの持ち直しにつれた買いが入り141.97円付近まで下値を切り上げた。
・ロンドン株式相場は小反発。前日に大幅下落し昨年7月20日以来の安値を付けたあとだけに押し目買いが入った。ただ、英政府の大規模な減税策による財政悪化とインフレへの懸念が引き続き相場の重しとなったため、上値は限定的だった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の上昇が目立った。ロイズ・バンキングなど金融株も買われた。
・フランクフルト株式相場は反発。独ショルツ政権が発表した高騰するガス価格を抑制するための総合対策を好感した買いが入った。前日に約2年ぶりの安値を付けたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではボノビア(5.61%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(5.40%高)、ザランド(4.20%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(中村)