欧州マーケットダイジェスト・16日 株安・ポンド安・ドル失速
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.03円(16日15時時点比▲0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.95円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9993ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:7236.68(前営業日比▲45.39)
ドイツ株式指数(DAX):12741.26(▲215.40)
10年物英国債利回り:3.137%(▲0.028%)
10年物独国債利回り:1.756%(▲0.014%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比 ▲1.6% 0.4%・改
前年比 ▲5.4% ▲3.2%・改
8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比 9.1% 9.1%
8月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比 4.3% 4.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルはさえない。高インフレの長期化と金融引き締めによる英景気の後退が懸念される中、8月英小売売上高が予想を大幅に下回ったことで全般ポンド売りが優勢となった。節目の1.1400ドルを下抜けるとストップロスを巻き込んで、一時1.1351ドルと1985年以来37年ぶりの安値を付けた。
ユーロポンドも一時0.8784ポンドと昨年2月以来のユーロ高・ポンド安水準を更新。ポンド円は162.75円まで値を下げた。
・ドル円は頭が重かった。アジア時間に一時143.69円と日通し高値を付けたものの、この日も政府・日銀による為替介入への警戒感が相場の上値を抑えた。欧州序盤は欧州株やダウ先物の下落に伴うクロス円の下落につれた売りも出た。
NY市場に入ると、米ミシガン大学が発表した9月消費者態度指数(速報値)が59.5と予想の60.0を下回ったほか、消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことが分かり、ドルの重しとなった。23時30分過ぎに142.87円付近まで売られ、アジア時間に付けた日通し安値142.83円に迫った。
なお、消費者の期待インフレ率は1年先が4.6%と昨年9月以来の低水準を付けたほか、5年先が2.8%と予想の2.9%を下回り昨年7月以来最低を更新した。
・ユーロドルは持ち直した。ポンドドルの急落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。17時前に一時0.9945ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、ユーロ買いが入りやすかった。ラガルドECB総裁はこの日、インフレ抑制のための金融措置が経済成長を圧迫する可能性について「あり得る。ただ、物価安定は根本的かつ重要。我々が負わなければならないリスクだ」と発言した。
NY市場に入ると、米消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことで米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.0036ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.48まで低下した。
・ユーロ円は下値が堅かった。欧州株が軒並み下落したほか、時間外のダウ先物が400ドル超下げるとリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢となった。21時過ぎに一時142.51円と日通し安値を更新した。
ただ、そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが強まり、24時前には143.43円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は反落。欧米の中央銀行による金融引き締め強化への警戒感からリスク回避の売りが優勢となった。この日発表の8月英小売売上高が予想を大幅に下回ったことも相場の重し。グレンコアやアントファガスタなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が軟調だった。
・フランクフルト株式相場は4日続落。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感が根強い中、株売りが広がった。アジア株安や時間外の米株価指数先物の下落も投資家心理を冷やした。個別ではザルトリウス(7.68%安)やドイツポスト(6.58%安)、MTUエアロ・エンジンズ(4.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=143.03円(16日15時時点比▲0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.95円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9993ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:7236.68(前営業日比▲45.39)
ドイツ株式指数(DAX):12741.26(▲215.40)
10年物英国債利回り:3.137%(▲0.028%)
10年物独国債利回り:1.756%(▲0.014%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比 ▲1.6% 0.4%・改
前年比 ▲5.4% ▲3.2%・改
8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比 9.1% 9.1%
8月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比 4.3% 4.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルはさえない。高インフレの長期化と金融引き締めによる英景気の後退が懸念される中、8月英小売売上高が予想を大幅に下回ったことで全般ポンド売りが優勢となった。節目の1.1400ドルを下抜けるとストップロスを巻き込んで、一時1.1351ドルと1985年以来37年ぶりの安値を付けた。
ユーロポンドも一時0.8784ポンドと昨年2月以来のユーロ高・ポンド安水準を更新。ポンド円は162.75円まで値を下げた。
・ドル円は頭が重かった。アジア時間に一時143.69円と日通し高値を付けたものの、この日も政府・日銀による為替介入への警戒感が相場の上値を抑えた。欧州序盤は欧州株やダウ先物の下落に伴うクロス円の下落につれた売りも出た。
NY市場に入ると、米ミシガン大学が発表した9月消費者態度指数(速報値)が59.5と予想の60.0を下回ったほか、消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことが分かり、ドルの重しとなった。23時30分過ぎに142.87円付近まで売られ、アジア時間に付けた日通し安値142.83円に迫った。
なお、消費者の期待インフレ率は1年先が4.6%と昨年9月以来の低水準を付けたほか、5年先が2.8%と予想の2.9%を下回り昨年7月以来最低を更新した。
・ユーロドルは持ち直した。ポンドドルの急落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。17時前に一時0.9945ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、ユーロ買いが入りやすかった。ラガルドECB総裁はこの日、インフレ抑制のための金融措置が経済成長を圧迫する可能性について「あり得る。ただ、物価安定は根本的かつ重要。我々が負わなければならないリスクだ」と発言した。
NY市場に入ると、米消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことで米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.0036ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.48まで低下した。
・ユーロ円は下値が堅かった。欧州株が軒並み下落したほか、時間外のダウ先物が400ドル超下げるとリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢となった。21時過ぎに一時142.51円と日通し安値を更新した。
ただ、そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが強まり、24時前には143.43円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は反落。欧米の中央銀行による金融引き締め強化への警戒感からリスク回避の売りが優勢となった。この日発表の8月英小売売上高が予想を大幅に下回ったことも相場の重し。グレンコアやアントファガスタなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が軟調だった。
・フランクフルト株式相場は4日続落。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感が根強い中、株売りが広がった。アジア株安や時間外の米株価指数先物の下落も投資家心理を冷やした。個別ではザルトリウス(7.68%安)やドイツポスト(6.58%安)、MTUエアロ・エンジンズ(4.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。
(中村)