欧州マーケットダイジェスト・15日 金利上昇・株と為替は不安定
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.39円(15日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.36円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9998ドル(△0.0036ドル)
FTSE100種総合株価指数:7282.07(前営業日比△4.77)
ドイツ株式指数(DAX):12956.66(▲71.34)
10年物英国債利回り:3.165%(△0.033%)
10年物独国債利回り:1.770%(△0.054%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月独卸売物価指数(WPI、前月比) 0.1% ▲0.4%
8月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.5% 0.4%
前年比 5.9% 5.8%
7月ユーロ圏貿易収支
季調済 403億ユーロの赤字 322億ユーロの赤字・改
季調前 340億ユーロの赤字 246億ユーロの赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感に乏しい展開だった。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると一時143.80円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。前日に日銀が銀行の為替ディーラーなどに相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したと伝わったことで、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり相場の上値を抑えた。22時前には143.15円付近まで下押しした。
もっとも、アジア時間に付けた日通し安値142.80円がサポートとして働くと徐々に買い戻しが優勢となり143円台半ばまで持ち直している。米長期金利の上昇が続く中、日米金利差の観点から円売り・ドル買いが出やすい地合いだ。市場では「一目均衡表転換線が位置する142.50円も引き続きサポートとして意識される」との声が聞かれた。
なお、この日発表の8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは買い先行後、もみ合い。ユーロポンドなどユーロクロスの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。22時前に一時1.0018ドルと日通し高値を更新した。ユーロポンドは一時0.8721ポンドまで上昇した。
ただ、前日の高値1.0023ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を超えた水準では戻り売りなども出やすく、22時30分過ぎには0.9982ドル付近まで押し戻された。もっとも、インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、一本調子で下落する展開にはなっていない。
なお、デギンドスECB副総裁は講演で「記録的なインフレを退治するため、断固とした行動が必要」と主張したほか、「ユーロ安も物価押し上げ圧力になっている」として、通貨安が物価に与えるマイナス面の影響に触れた。
・ユーロ円は強含み。大幅利上げを継続するとの観測が強まるECBと、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが優勢となった。2時過ぎには一時143.68円と日通し高値を更新した。ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感から、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反発。前日の米国株が反発したことを受けて英株にも買いが入った。ただ、主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強く、総じて買いの勢いは鈍かった。HSBCやバークレイズ、ロイズ・バンキングなど金融株の上昇が目立った半面、原油安を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。前日の米国株が反発したことで独株にも買いが先行したものの、終盤失速した。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強く、戻り売りなどが出やすい状況だ。個別ではプーマ(5.54%安)やアディダス(4.01%安)、ブレンターク(2.54%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。デギンドスECB副総裁の発言などを手掛かりに独国債に売りが出た。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=143.39円(15日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.36円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9998ドル(△0.0036ドル)
FTSE100種総合株価指数:7282.07(前営業日比△4.77)
ドイツ株式指数(DAX):12956.66(▲71.34)
10年物英国債利回り:3.165%(△0.033%)
10年物独国債利回り:1.770%(△0.054%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月独卸売物価指数(WPI、前月比) 0.1% ▲0.4%
8月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比 0.5% 0.4%
前年比 5.9% 5.8%
7月ユーロ圏貿易収支
季調済 403億ユーロの赤字 322億ユーロの赤字・改
季調前 340億ユーロの赤字 246億ユーロの赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感に乏しい展開だった。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると一時143.80円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。前日に日銀が銀行の為替ディーラーなどに相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したと伝わったことで、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり相場の上値を抑えた。22時前には143.15円付近まで下押しした。
もっとも、アジア時間に付けた日通し安値142.80円がサポートとして働くと徐々に買い戻しが優勢となり143円台半ばまで持ち直している。米長期金利の上昇が続く中、日米金利差の観点から円売り・ドル買いが出やすい地合いだ。市場では「一目均衡表転換線が位置する142.50円も引き続きサポートとして意識される」との声が聞かれた。
なお、この日発表の8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。
・ユーロドルは買い先行後、もみ合い。ユーロポンドなどユーロクロスの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。22時前に一時1.0018ドルと日通し高値を更新した。ユーロポンドは一時0.8721ポンドまで上昇した。
ただ、前日の高値1.0023ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を超えた水準では戻り売りなども出やすく、22時30分過ぎには0.9982ドル付近まで押し戻された。もっとも、インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、一本調子で下落する展開にはなっていない。
なお、デギンドスECB副総裁は講演で「記録的なインフレを退治するため、断固とした行動が必要」と主張したほか、「ユーロ安も物価押し上げ圧力になっている」として、通貨安が物価に与えるマイナス面の影響に触れた。
・ユーロ円は強含み。大幅利上げを継続するとの観測が強まるECBと、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが優勢となった。2時過ぎには一時143.68円と日通し高値を更新した。ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感から、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反発。前日の米国株が反発したことを受けて英株にも買いが入った。ただ、主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強く、総じて買いの勢いは鈍かった。HSBCやバークレイズ、ロイズ・バンキングなど金融株の上昇が目立った半面、原油安を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。前日の米国株が反発したことで独株にも買いが先行したものの、終盤失速した。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感は根強く、戻り売りなどが出やすい状況だ。個別ではプーマ(5.54%安)やアディダス(4.01%安)、ブレンターク(2.54%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。デギンドスECB副総裁の発言などを手掛かりに独国債に売りが出た。
(中村)