欧州マーケットダイジェスト・8日 株持ち直す・金利上昇・ユーロ荒い値動き
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.06円(8日15時時点比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.97円(△0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9994ドル(▲0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:7262.06(前営業日比△24.23)
ドイツ株式指数(DAX):12904.32(▲11.65)
10年物英国債利回り:3.147%(△0.113%)
10年物独国債利回り:1.717%(△0.140%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月スイス失業率 2.0% 2.0%
7月仏貿易収支 145.38億ユーロの赤字 130.83億ユーロの赤字・改
7月仏経常収支 53億ユーロの赤字 15億ユーロの赤字・改
欧州中央銀行(ECB)、政策金利 1.25%に引き上げ 0.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは荒い値動き。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた理事会で、0.75%の大幅利上げに踏み切り、成長見通し悪化の中でもインフレ抑制を優先し、今後数回の追加利上げを実施する方針を表明した。また、ECBスタッフ見通しでは2022年から2024年のインフレ見通しがいずれも前回6月から上方修正された。利上げ公表直後には全般ユーロ買いが優勢となり、一時1.0029ドルと日通し高値を更新した。
ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「今後数回の理事会で一段の利上げを予想する。おそらく今回を含めて2回より多く5回より少ない」と述べた一方、「次回の利上げは0.75%である必要はない、0.75%は標準ではない」と発言すると、大幅利上げが続くとの観測がやや後退しユーロ売りで反応。一時0.9931ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、ECB当局者の話として「10月理事会での0.75%利上げを排除しない」と伝わると、1.0000ドル付近まで強含んだ。
・ドル円は方向感が出なかった。財務省・日銀・金融庁の3者会合後に神田財務官が「明らかに過度な変動だ。ファンダメンタルズだけでは正当化できない。あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある」と述べ、円安を強くけん制すると円買い・ドル売りが先行。米10年債利回りが一時3.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時143.32円と日通し安値を更新した。
ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で「FRBはインフレが低下するまで行動を維持する必要」「早急な緩和のリスクを歴史が警告」などと述べ、インフレ抑制のため強く行動することを改めて強調すると、144.44円付近まで持ち直した。
・ユーロ円は一進一退。ECBが大幅利上げに踏み切ったことを受けて一時144.29円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた2015年1月以来の高値144.32円がレジスタンスとして働くと失速した。ラガルドECB総裁の発言も相場の重しとなり、一時143.18円と日通し安値を付けた。
ただ、「10月理事会で0.75%の利上げが実施される可能性を排除しない」との報道が伝わると、144.04円付近まで再び上昇した。
・ロンドン株式相場は反発。ECB理事会後に独株中心に欧州株が急落すると、英株にも売りが波及したものの、引けにかけては米国株の持ち直しにつれた買いが入り上げに転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株の一角に買いが入った半面、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。ECBはこの日の理事会で、0.75%の大幅利上げに踏み切り、成長見通し悪化の中でもインフレ抑制を優先し、今後数回の追加利上げを実施する方針を表明。金融引き締め強化を示唆する結果となり、リスク回避の売りが強まった。ただ、売り一巡後は米国株の持ち直しにつれた買いが優勢となり上げに転じる場面もあった。
・欧州債券相場は下落。ECBがタカ派姿勢を明確にしたことで、独国債に売りが出た。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=144.06円(8日15時時点比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.97円(△0.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9994ドル(▲0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:7262.06(前営業日比△24.23)
ドイツ株式指数(DAX):12904.32(▲11.65)
10年物英国債利回り:3.147%(△0.113%)
10年物独国債利回り:1.717%(△0.140%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
8月スイス失業率 2.0% 2.0%
7月仏貿易収支 145.38億ユーロの赤字 130.83億ユーロの赤字・改
7月仏経常収支 53億ユーロの赤字 15億ユーロの赤字・改
欧州中央銀行(ECB)、政策金利 1.25%に引き上げ 0.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは荒い値動き。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた理事会で、0.75%の大幅利上げに踏み切り、成長見通し悪化の中でもインフレ抑制を優先し、今後数回の追加利上げを実施する方針を表明した。また、ECBスタッフ見通しでは2022年から2024年のインフレ見通しがいずれも前回6月から上方修正された。利上げ公表直後には全般ユーロ買いが優勢となり、一時1.0029ドルと日通し高値を更新した。
ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「今後数回の理事会で一段の利上げを予想する。おそらく今回を含めて2回より多く5回より少ない」と述べた一方、「次回の利上げは0.75%である必要はない、0.75%は標準ではない」と発言すると、大幅利上げが続くとの観測がやや後退しユーロ売りで反応。一時0.9931ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、ECB当局者の話として「10月理事会での0.75%利上げを排除しない」と伝わると、1.0000ドル付近まで強含んだ。
・ドル円は方向感が出なかった。財務省・日銀・金融庁の3者会合後に神田財務官が「明らかに過度な変動だ。ファンダメンタルズだけでは正当化できない。あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある」と述べ、円安を強くけん制すると円買い・ドル売りが先行。米10年債利回りが一時3.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時143.32円と日通し安値を更新した。
ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で「FRBはインフレが低下するまで行動を維持する必要」「早急な緩和のリスクを歴史が警告」などと述べ、インフレ抑制のため強く行動することを改めて強調すると、144.44円付近まで持ち直した。
・ユーロ円は一進一退。ECBが大幅利上げに踏み切ったことを受けて一時144.29円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた2015年1月以来の高値144.32円がレジスタンスとして働くと失速した。ラガルドECB総裁の発言も相場の重しとなり、一時143.18円と日通し安値を付けた。
ただ、「10月理事会で0.75%の利上げが実施される可能性を排除しない」との報道が伝わると、144.04円付近まで再び上昇した。
・ロンドン株式相場は反発。ECB理事会後に独株中心に欧州株が急落すると、英株にも売りが波及したものの、引けにかけては米国株の持ち直しにつれた買いが入り上げに転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株の一角に買いが入った半面、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。ECBはこの日の理事会で、0.75%の大幅利上げに踏み切り、成長見通し悪化の中でもインフレ抑制を優先し、今後数回の追加利上げを実施する方針を表明。金融引き締め強化を示唆する結果となり、リスク回避の売りが強まった。ただ、売り一巡後は米国株の持ち直しにつれた買いが優勢となり上げに転じる場面もあった。
・欧州債券相場は下落。ECBがタカ派姿勢を明確にしたことで、独国債に売りが出た。
(中村)