欧州マーケットダイジェスト・7日 エネルギー価格急落・ユーロ高・金利低下
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.93円(7日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.88円(△1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9996ドル(△0.0103ドル)
FTSE100種総合株価指数:7273.83(前営業日比▲62.61)
ドイツ株式指数(DAX):12915.97(△44.53)
10年物英国債利回り:3.034%(▲0.067%)
10年物独国債利回り:1.577%(▲0.061%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
7月独鉱工業生産
前月比 ▲0.3% 0.8%・改
前年比 ▲1.1% ▲0.1%・改
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
前期比 0.8% 0.6%
前年同期比 4.1% 3.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は失速。積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、この日も円売り・ドル買いが続いた。20時30分過ぎに一時144.99円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。
ただ、心理的節目である145円手前ではポジション調整目的の売りが出たため伸び悩んだ。市場では「145.00円に観測されているバリアオプションの防戦売りなどに上値を抑えられた」との声も聞かれた。米長期金利の低下に伴うドル売りが強まると、一時143.84円付近まで下押しした。
・ユーロドルは底堅い動き。21時過ぎに一時0.9876ドルと日通し安値を付けたものの、前日に付けた約20年ぶりの安値0.9864ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
プーチン露大統領が停止中の欧州向け主要ガスパイプライン「ノルドストリーム」について、「タービンがあれば明日にも供給を再開する」と発言すると、欧州の天然ガス価格が急落。エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念が和らいだこともユーロ買い戻しを誘った。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、一時1.0003ドルと日通し高値を更新した。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.4802豪ドル、ユーロNZドルは1.6502NZドル、ユーロポンドは0.8689ポンド、ユーロカナダドルは1.3141カナダドル、ユーロスイスフランは0.9781スイスフランまで値を上げた。
・ポンドドルは持ち直した。英利上げによる景気後退への懸念が根強い中、ポンド売りが先行。2020年3月に付けた1.1412ドルを下抜けて一時1.1406ドルと1985年以来の安値を更新した。市場では「トラス英首相が計画する大規模減税の財源を巡り不透明感が高まる中、財政赤字の拡大懸念がポンド売りを誘った」との声も聞かれた。
ただ、NY時間に入ると米金利低下に伴うドル売りが優勢となり、一時1.1523ドルと日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。
・ユーロ円は堅調。各国中銀の金融引き締め政策に注目が集まる中、日銀のみが大規模な金融緩和を続ける構図に改めて焦点があたり、円を売る動きが先行した。天然ガス価格の大幅下落を背景にユーロ買いが活発化すると、一時144.01円と6月29日以来の高値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。前日の米国株安やアジア株安の流れを引き継いで売りが先行。英利上げによる景気後退への懸念も根強く、投資家心理を冷やした。原油先物価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが集まった。HSBCやバークレイズなど金融株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米株安やアジア株安の流れを引き継いで売りが先行したものの、欧州の天然ガス価格の急落を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念がやや和らぐと買い戻しが入った。個別では、RWE(7.18%高)やコベストロ(2.33%高)、BASF(2.12%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。天然ガスや原油などの価格が下落したことで、インフレ懸念がやや後退。国債が買い直された。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=143.93円(7日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.88円(△1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9996ドル(△0.0103ドル)
FTSE100種総合株価指数:7273.83(前営業日比▲62.61)
ドイツ株式指数(DAX):12915.97(△44.53)
10年物英国債利回り:3.034%(▲0.067%)
10年物独国債利回り:1.577%(▲0.061%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
7月独鉱工業生産
前月比 ▲0.3% 0.8%・改
前年比 ▲1.1% ▲0.1%・改
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
前期比 0.8% 0.6%
前年同期比 4.1% 3.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は失速。積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、この日も円売り・ドル買いが続いた。20時30分過ぎに一時144.99円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。
ただ、心理的節目である145円手前ではポジション調整目的の売りが出たため伸び悩んだ。市場では「145.00円に観測されているバリアオプションの防戦売りなどに上値を抑えられた」との声も聞かれた。米長期金利の低下に伴うドル売りが強まると、一時143.84円付近まで下押しした。
・ユーロドルは底堅い動き。21時過ぎに一時0.9876ドルと日通し安値を付けたものの、前日に付けた約20年ぶりの安値0.9864ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
プーチン露大統領が停止中の欧州向け主要ガスパイプライン「ノルドストリーム」について、「タービンがあれば明日にも供給を再開する」と発言すると、欧州の天然ガス価格が急落。エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念が和らいだこともユーロ買い戻しを誘った。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、一時1.0003ドルと日通し高値を更新した。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.4802豪ドル、ユーロNZドルは1.6502NZドル、ユーロポンドは0.8689ポンド、ユーロカナダドルは1.3141カナダドル、ユーロスイスフランは0.9781スイスフランまで値を上げた。
・ポンドドルは持ち直した。英利上げによる景気後退への懸念が根強い中、ポンド売りが先行。2020年3月に付けた1.1412ドルを下抜けて一時1.1406ドルと1985年以来の安値を更新した。市場では「トラス英首相が計画する大規模減税の財源を巡り不透明感が高まる中、財政赤字の拡大懸念がポンド売りを誘った」との声も聞かれた。
ただ、NY時間に入ると米金利低下に伴うドル売りが優勢となり、一時1.1523ドルと日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。
・ユーロ円は堅調。各国中銀の金融引き締め政策に注目が集まる中、日銀のみが大規模な金融緩和を続ける構図に改めて焦点があたり、円を売る動きが先行した。天然ガス価格の大幅下落を背景にユーロ買いが活発化すると、一時144.01円と6月29日以来の高値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。前日の米国株安やアジア株安の流れを引き継いで売りが先行。英利上げによる景気後退への懸念も根強く、投資家心理を冷やした。原油先物価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが集まった。HSBCやバークレイズなど金融株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米株安やアジア株安の流れを引き継いで売りが先行したものの、欧州の天然ガス価格の急落を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念がやや和らぐと買い戻しが入った。個別では、RWE(7.18%高)やコベストロ(2.33%高)、BASF(2.12%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。天然ガスや原油などの価格が下落したことで、インフレ懸念がやや後退。国債が買い直された。
(中村)